第73話
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〜アルセイユ・会議室〜
「なんと……。たった1人で乗り込んだ上、エステル達と共に”執行者”を圧倒したバルバトスとやらを撃退したとは。いつもながら大した娘じゃわい。」
「ツァイス支部のキリカ殿といえば非常に優秀な女性だと聞いている。一度会ってみたいものだな……」
エステル達から紅蓮の塔であった事を聞いたラッセル博士は驚いた後感心し、ユリア大尉はキリカに興味を持ち始めた。
(うーん……ユリアさんとキリカさんか。)
(優秀さでは良い勝負かもしれないね。)
ユリア大尉の話を聞いたエステルとヨシュアはユリア大尉とキリカを比べて苦笑していた。
「それはともかく……。今回も、塔は元に戻ったが屋上の装置も止まっちまったな。」
「ええ……そうですね。屋上に現れた結界の正体もいまだに分かっていませんし……」
「問題は、何のために屋上を覆っているのかですけど……」
「そうですね。今は残りの”塔”の異変を解決することが優先すべき事だと思います。」
「うん……そうよね。ユリアさん。他の塔からの続報はある?」
仲間達が話し合っている中、一旦話を中断させたアガットとステラの提案に頷いたエステルはユリア大尉に尋ねた。
「ああ……。今度は”紺碧の塔”だ。現れたのは鈴の音を響かせる黒衣の女性だったそうだ。」
「あ……」
「ロレントの昏睡事件の時に現れた”執行者”か……」
「”幻惑の鈴”ルシオラ……。たしかシェラさんの知り合いだったんですよね?」
ユリアの情報を聞いたエステルはシェラザードを見つめ、フレンは考え込み、ヨシュアはシェラザードに尋ねた。
「ええ、昔馴染みよ。次はあたしの出番みたいね。」
「シェラ姉……」
「そんな顔しなさんな。姉さんは姉さん、あたしはあたしだわ。あくまで遊撃士としての使命を果たすだけよ。」
心配そうな表情で自分を見つめるエステルをシェラザードが元気づけていたその時部屋に備え付けられてある通信機がなった。
「―――シュバルツだ。何があった?…………何だと!?わかった、報告ご苦労。…………」
「ユリアさん?一体何があったんですか?」
「その様子だとさっきの報告はどうやら尋常ではない事だと思うのだが……まさか”四輪の塔”関係かい?」
通信の内容を聞いて信じられない表情で声を上げた後考え込んでいるユリア大尉にクローゼとレイスはそれぞれ訊ねた。
「いえ、その件とは別件です。カシウス准将の奥方をロレントまで避難誘導をしていた部隊からある出来事があり、その件に関してギルドに問い合わせたそうですがその事を知ったギルドからの情報によりとんでもない事が発
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