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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(FC篇)
終章〜王都繚乱〜 外伝〜囚われる白き翼〜
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ユリアさんが……」

「ピューイ!」

「ありがとう、お願いね。」

ジークを見送ったクロ―ゼは王都を見た。

「ユリアさんの言った通り、こちらの警備は手薄みたい……。急いで遊撃士協会に行かないと……」

クロ―ゼが独り言を呟いたその時、雨が降り出した。

「雨……。………………………………。そういえば、エステルさんたちもそろそろ王都に来る頃かしら……」

クロ―ゼがエステル達の事を思い出したその時、上空から飛行艇のエンジンの音が聞こえて来た。

「……まさか!?」

エンジン音を聞いてクロ―ゼは表情を青褪めた。そして降りて来た飛行艇は紅蓮の塔やレイストン要塞に現れた特務兵の警備艇だった。

「情報部の特務艇……!まさか、昼間のうちから王都の前に現れるなんて……」

飛行艇から降りて来た特務兵達を見たクロ―ゼは逃げようとしたが

「あっ……」

「………………………………」

ロランスが目の前に立ちふさがった。

「やあ、珍しい所で会うものだな。」

そこに飛行艇からリシャールが降りて来た。

「ジェニス王立学園、社会科在籍。クローゼ・リンツ君……。少々、話を聞かせてもらえるかね?」

そしてクロ―ゼは特務兵達に拘束されて、どこかに連れて行かれた。



〜王都グランセル・エレボニア帝国大使館内〜



「麗しの王都に暗雲立ちこめ、(くら)き情熱の序曲が鳴り響く……。フフ……面白くなってきたじゃないか。」

クロ―ゼが特務兵達に拘束された同じ頃、大使館の部屋の窓から外を見て、オリビエは独り言を呟いていた。

「……相変わらずのお調子者だな。」

そこにエレボニア将校の服を着た男性が入って来た。

「おお……。ボクは夢でも見ているのか?ミュラー、親愛なる友よ!多忙な君が、わざわざ帝都から訪ねて来てくれるとは。一体どういう風の吹き回しだい?」

「何をぬけぬけと……。貴様が連絡の一つもよこさずにほっつき歩いているからだろうが。余計な手間を取らせるんじゃない。」

エレボニア将校――ミュラーは芝居がかかったように話すオリビエを睨んだ。

「フッ、照れることはない。口ではそう言いながらもボクの事が心配でしようがなくて飛んできてしまったのだろう?恋は盲目とはよく言ったものだ。」

「………………………………」

「さあ、遠慮することはない。ボクの胸に飛び込んできたまえ!」

いつまでもふざけているオリビエを見て、ミュラーは静かに言った。

「頼まれた情報をわざわざ持ってきたんだが……。どうやら知りたくないようだな。」

「ああん、つれないことを言わないでくれたまえ。わかった。つまり誠意を見せろ
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