〜白き花のマドリガル〜後篇
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デュナンを心配したフィリップは吹っ飛ばされたデュナンを追うかのように、講堂から去って行った。
(おお!さすがリウイ!見事な裁きじゃ!それにまさか、エステルとの共闘が見れるとは……!)
(さすがリウイお兄ちゃん!惚れ直しちゃいそう……キャハッ♪)
(もう!お父様ったらどこが『少し灸を据える』ですか!完全にやり過ぎではありませんか!……すみません、ペテレーネ様。私はちょっと失礼します!)
リウイとエステルの活躍にリフィアとエヴリーヌは喜び、ティアはやり過ぎた攻撃に怒って、その場から去ろうとしたところをペテレーネが呼び止めた。
(あ、ティアさん!どちらへ行かれるつもりですか?)
(決まっています!お父様達に追い出された方達の傷を癒します。競技用の剣でしたから、傷は酷くないと思うのですが一応念のために癒しておきたいのです。)
(あ、でしたら私も手伝います。リフィア様、エヴリーヌ様。もう、お二人の怒りは収まりましたよね?)
(うむ!ここは心配ないから、お前はティア殿といっしょに行ってくるがいい!)
(ありがとうございます。……ティアさん、行きましょう。)
(はい!)
そしてペテレーネとティアはその場を離れ、急いでデュナン達の元に向かった。
「………俺の役割はここまでだ。後は任せる…………」
剣を鞘に収めたリウイはエステルに剣を渡して言った。
「いつかまた、貴殿と会える日は来るだろうか……?」
エステルは自分の役割を思いだして、再び紅騎士ユリウスになりきり、本心も込めたセリフを言った。
「………縁があればまたいつか、会えるだろう。(リフィア達の面倒をもうしばらく頼む。………お前との共闘………短いながらも楽しませて貰えた。……いつか共に肩を並べて戦う日が来る事を楽しみにしているぞ。)」
(え?)
リウイが去り際に言った小声の言葉にエステルは呆けた。
「………さらばだ。」
リウイはエステルに背を向けると入口に向かって跳躍し、着地すると近くにいながら、気配を隠していた銀髪の青年に目をやった後、入口から去って行った。
「………………………」
「ユリウス!」
去って行ったリウイを見続けたエステル――ユリウスにクロ―ゼ――オスカーが役者全員を引き連れて声をかけた。
「クロ……おっと。オスカー!姫も!」
「心配しましたよ、ユリウス。」
セシリアが心配そうな表情で話しかけた。
「どうしてみながここに?」
「………ミリガン殿が去って行くのを見たからな、もう脅威は去ったと思ってお前を心配してこうして来たのだ。特にオスカーと姫が急かされて大変だったぞ……」
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