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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第10章 エル・ファシル掃討作戦 後編 A
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佐から呼び出されて少し予測していたいやなことが起きてしまった。
大佐曰く
この地区にある中央病院で帝国軍が立てこもっているからそこへ行けとのことであった。しかし、今回は増援が来るのでその部隊に合流しろとのことであった。
出撃は1時間後
その増援部隊はそれから10分後にやってきた
着陸したヘリから降りてきたのは装甲服を着て、トマホークを持ち右腕の部隊識別パッチには見覚えのある部隊章がついていた兵士たちであった。
一人の少尉が私に気づいて
「大尉!
大丈夫でしたか!?」
とこちらに駆け寄ってきた。
その名もマースト・リヒトフォーフェン少尉
ローゼンリッター連隊第1大隊第3中隊第3小隊長である。
そう、増援部隊とは言うまでもなくローゼンリッター連隊であり、私の指揮部隊であった第3中隊であったのだった。
中隊員たちが続々と駆け寄ってくれてことあるごとに心配してくれる言葉をかけてくれた。
中隊員たちに結論だけを伝え私はすでに彼らを指揮下に置けないことを伝えた。
しかし、副中隊長のマックス・リューカス中尉が
「お言葉ですが、それは違います 大尉
われわれはシェーンコップ中佐からシュレジェン駐屯地に任官したての中尉がいるからその中尉の指揮下に入れ。そして、その中尉が今までもこれからもわれわれの中隊長だといわれてここに来たのです。
階級は私と同じですがシュナイダー中隊長は私たちの中では第3中隊長のままですよ。」
と言ってくれた
シェーンコップ中佐の配慮に泣き崩れるくらい感謝した。
中隊員全員で作り上げてきたこの部隊を手放すことは私にとってはあまりにも耐えがたいことであった。中佐には絶対に頭が上がらないと思った。
こうして私は第3中隊長としてローゼンリッターに復帰した。
リューカス中尉が私の装甲服をもってきてくれて久しぶりに装甲服に腕を通した。
階級章が中尉になっていたので鏡の前で見ながら階級章を触っていると
中尉が
「ヴァーンシャッフェ大佐がやかましいのでつけざるを得ませんでした。
すみません。」
と謝ってきた
私はすぐに中尉に
「リューカスのせいじゃないさ。
だから謝らないでくれ
君らしくないぞ。」
中尉は頭を挙げて「了解しました。」
と一言言って返しただけであった。
やはり、階級が同じ中隊長ってやりにくいのかな
と思いながら中尉に
「さあ、出撃だ!
いつも通り。整然と、やってくぞ!」
とトマホークを右にあげていった。
中尉は敬礼を返して、「了解!」
と笑顔を返してきたのを見て少し安心した。
士気の低下は作戦の失敗を招くことも十分にあった。
何が何でも士気を落とすわけにはいかないのだ。
1300時
晴れ間ののぞく天気の中われわれは離陸した。
奪還対象の中央病院は5階建ての大病院だ。
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