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究極変態スナイパーブリーフ13
11部分:第十一章
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第十一章

「口の中に縮れた毛や何やらを入れて苦悶の表情でな」
「一番死にたくない死に方ですね」
 若い男はそれを聞いてすぐに述べた。
「それだけは。本当に」
「だからだ。馬鹿な真似はするな」
 長官は彼に念を押してきた。
「くれぐれもだ。いいな」
「はい、わかりました」
 彼もまた真剣な顔で頷くのだった。
「それはもう」
「わかってくれればいい。それではだ」
「はい」
「いつもの仕事に戻ろう」
 長官は今度は穏やかに述べてきたのだった。
「いつものな」
「日常のですか」
「そうだ。日常に戻ったのだ」
 彼は窓の方に顔を向けた。そうしてそこから見える東京のビル群を見る。それこそがまさに日本の繁栄、そして日常の象徴である。
「これでな」
「ではブリーフ13は」
「彼のいる世界は日常ではない」
 このこともはっきりと言うのだった。
「我々とは全く違う世界なのだからな」
「では我々は日常に戻り」
「そうだ、彼のことは忘れる」
 やはりこの世界にはいないからだ。そうなるのは必然であった。
「それでいいな」
「わかりました。それでは」
「それで今日はだ」
 長官の顔が笑みになってきた。
「君は早いのだね」
「はい、今日は残業の予定もありませんし」
「ではたまには早く帰ることだ」
 こう彼に薦めるのだった。
「奥さんも喜ぶ」
「そうですね。では今日は」
「夫婦二人で水入らずといきたまえ」
「わかりました」
 二人は日常に戻った。それでブリーフ13のことは忘れた。しかしであった。彼は今も確かにこの世界に存在しているのであった。留置所でブリーフ一枚で。
「だからズボンはけよ、おい!」
「断る」
 彼は留置所の中で制服の警官と柵越しに話をしていた。
「これは俺のポリシーだ」
「ポリシーでも何でもそんなの見せるな!」
 警官は汚いものを見る目でブリーフ13を見ながら言い返す。
「パンツ一枚でな。しかも今時ブリーフかよ」
「ブリーフの何が悪い」
「しかも白か」
 警官は下着の色についても言う。
「グンゼか?」
「そうだ」
 しかもメーカーはそれであった。
「はき心地が最高だ」
「何かアダルトビデオの変態プレイの時みたいだな」
 警官はそのグンゼの白ブリーフをまた見てぼやくのだった。
「全くな。とにかくズボンははかないんだな」
「ネクタイ以外も身に着けない」
 これも彼のポリシーなのだから当然であった。
「何があろうともな」
「全く。まあいい」
 警官も遂に折れるのだった。
「その格好でいたいのならいろ。風邪ひくなよ」
「わかった」
 とりあえずはこれで話を終わらせるのだった。しかし警官は知らなかった。この変質者にしか見えない男がブリーフ13であること
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