プロローグ
[2]次話
(某月某日 正午 某都市 某所 喫茶店『望名』)
ウェイトレス「いらっしゃいませ〜♪ 何名様ですか?」
客「俺とツレの2名。まだランチ、ある?」
ウェイトレス「すぐにご用意出来ます」
客「じゃあ、ランチ2つ。超特急で」
ウェイトレス「かしこまりました。マスター! ランチ2つ!」
マスター「OK。超特急でお作りいたします!」
いつもの光景だ。ランチが名物の喫茶店『望名』の正午のメシラッシュだ。
マスターの名は、“一 望(にのまえ のぞむ)”、マスターであり、バリスタであり、コックだ。所謂、喫茶店店主の修行をちゃんと積んだ“立派なマスター”なのである。
その店のランチは、所謂“ファミレスのランチ”ではない。喫茶店メニューである“パスタやサンドイッチ”などの軽食に、自慢の美味しいコーヒーが付いた、『喫茶店のランチ』である。
が、この軽食とコーヒーが頗る旨い。その味が口コミで広まり、正午から午後2時までのランチタイムになると、客足が絶えない。当然、ウェイトレスも望もフル回転である。
常連も口コミ組も、客の大半が『このランチ』目当てなので、ネットで事前に“本日のランチ”を調べてきて注文するので、先ほどの様な、口でマスターにランチのセット数を言ってからウェイトレスがその後に伝票に書き込む事にして、タイムロスをできる限り少なくしている。
繁盛している喫茶店のランチライムの光景、実に活気があって健康的だ。
<その日の3時間後、あの男と黒服が来るまでは>
[2]次話
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