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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―もう一回―
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「レイ、大丈夫か?」

「うん。もうすっかり!」

 幾度となくお世話になったアカデミアの保健室。そこで今回の騒動に巻き込まれたレイを見舞いに来ていたが、ベッドに座る彼女はどうやら平気なようで。

「良かった……明日香には感謝しないとな」

「……うん、そうだね」

 迷惑をかけてしまったことの申し訳なさか、レイは明日香の名を聞くと少し顔を伏せってしまう。十代によって大元の原因であるミスターTは消滅したが、あの神出鬼没さにはまるで油断は出来ず、レイまで巻き込んでしまったことに奥歯を噛み締める。

「ごめんなレイ。巻き込んじゃって……」

「ううん! わ……ボクが弱かったのがいけないんだ。それにほら、元気になったんだから大丈夫だよ!」

 無理やりに笑顔を作っていることが丸わかりだったが、レイはそれでも太陽のような笑みを向けてくれ、さらにその言葉は続いていく。大事な話があるのだと。

「ボク……新しい恋を探すって決めたんだ。遊矢様がいつまでも想いに応えてくれないから、ボクの方からフッちゃう!」

 つーん、と顔をどこかそっぽに向けるレイ。そして目元をゴシゴシと擦った後、再びこちらの方に向き直った。

「そうか……フラれちゃったか、俺」

「えへへ、ごめんね」

 突然の話で驚いてはいるが、いつか話さなくてはならなかったことだ――レイにとっても……俺にとっても。

「これからは何て呼べばいいのかな。遊矢……お兄ちゃん?」

「それで頼む」

 名実ともに妹分となった彼女に微笑みかけ、しばし他愛のない話題で談笑していると――何せ長い時間が経ったようでも、俺はアカデミアで目覚めてからまだ数日だ――レイが思いだしたように、あ、と声を出した。

「どうした?」

「今日、確かエドが来てるって話だったから。遊矢さ……お兄ちゃん、用があるんでしょ?」

 プロデュエリスト、エド・フェニックス。一応はアカデミアの生徒である彼だったが、当然のことながらあまり学園にはいない。ただし俺は彼に用があった――異世界でのことを、謝らなくては……謝って済まされることではないが、そうでもしないと始まらない。異世界で俺のせいで被害を被った、翔に明日香には謝ったが……あとはエドに亮だ。

「ありがとうレイ。ちょっと行ってくる」

「うん」

 そうして俺は、勝手知ったる保健室から出て行った。彼女が消え入りそうな声で語った、さようなら――という言葉を聞こえないフリをしながら。


「……どうしてこうなった」

 ……そんなレイとの別れから数分後、俺は空の上にいた。正確には飛翔するヘリコプターの中だが、急展開すぎて俺の脳内の処理がついて行けなかった。

「慌てるな。どっしり構えていろ、見苦しい!」
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