暁～小説投稿ｻｲﾄ～:魔王に直々に滅ぼされた彼女はゾンビ化して世界を救うそうですデッドエンド・プロローグ

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魔王に直々に滅ぼされた彼女はゾンビ化して世界を救うそうです

デッドエンド・プロローグ
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　木霊する悲鳴。
　撒き散らされる血肉。
　鼻を刺す焦げ臭い匂い。

　そんな事が、そんな事があってたまるか。

「──嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ……っ！」

　声を殺して嘆く。草むらに身を隠し、必死に捜索の目から逃れる。
　耳を塞ぎ、目を閉じ、口を閉ざし、気配を殺す体裁を取る。膝がガタガタと震え、マトモに動ける気がしない。
　目の前に撒き散らされた『人間だったモノ』から腐臭が辺りに充満し、どうしようも無い吐き気が湧き上がる。

「何処……っ？父さん？母さん？」

　見当たらぬ両親を探すも、直ぐに無意味だと分かる。何故ならとっくに、この村の生き残りは私しか居ない。
　殺された。皆殺された。父さんも、母さんも、ミラーおじさんも、パン屋のおばさんも。

皆－－

「──おい、この辺りから人間の匂いがするぞ」

「ッーー！？」

　不意に、低く醜い声が混濁した意識を引き戻す。
　そこに居たのは薄緑の肌の巨人。3m程もある巨大な体が、一つ、二つ、と近付いてくる。その体に染み付いた血の匂いは此方にまで届いており、彼女に更なる吐き気を催させる。
　やめて。来ないで。来ないで、来るな来るな、来るな、来ないで、嫌だ、死にたくない、嫌だ。

　やめ──

「みーぃつけたぁ」

「ぁ、あ……っえ"ぁっ！」

　丸太の様に太い腕が、彼女の首を締め上げた。精一杯の力で逃げ出そうとするも、ピクリとも動かない。やがて身体は浮き上がり、足は大地を離れた。
　呼吸が出来ない。それ以前に首が死ぬ程痛い。かといって苦しみの叫びを上げる事すら叶わない。世界への理不尽を嘆く事も許されず、少女はただ虚ろに瞳を彷徨わせる。

　此処は地獄だ──。

「ゃ……だ……っ、しに……く、な」

「あぁ？聞こえねぇなぁ、もっと声張れってぇ……のっ！」

　バギィッ！と、何かが折れる音がする。
　何が起こったのだろう。何かが折れた？なら一体何が折れたのだろう。

「ぁ……あ"ぁ……っ！が……ぁ……あっ……！」

「おーおーひっでぇなぁ。女の腹を蹴りやがって」

「良いんだよ、あの女ちゃっかり手で受けてたしよぉ。ま、だからって防げたかって言われると痛いがな」

　腕は、あり得ない方向に曲がっていた。

　愉快そうな笑い声が聞こえる。何で？訳が分からない。
　何で私達はこんなにも苦しんでいるのに、あいつらはあんなに楽しそうに笑っているの？
　何でこんなにも苦しむ私を見て、あいつらはあんなにも嬉しそうなの？

　怖い。怖い。怖い。

「－－ほう？生き残りが居たのか」

「っ！？魔王様っ！？」

　突然、怪物達の後ろから小柄な男が歩み出る。いや、巨人が大きいのであって、人間の中ではその男も大きい方にな

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