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101番目の舶ィ語
第十話。デート・ア・ミズエ 前編
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、それはともかく。深刻な悩みがあるんだ」

『ああ、髪の悩みですか?』

「ハゲてねえよ?? もっと深刻な悩みがあるだろう??」

『私は私の睡眠以上に深刻なものなどありません』

「いい切りやがったな、コイツ……」

『ですが……ふむ。お昼も結構過ぎた時間のようですね。そろそろ起きてもいいでしょう。
ふぁーあ……で、何ですか?』

「だから相談に乗って欲しいんだが……」

『貴方の相談相手=キリカさんでは?』

「そ、そうかもしれんが、キリカはまだ本調子じゃないからな」

『まあ、それもそうですね。仕方ありません。休日の午後という貴重な時間を貴方に割いてあげるのも、ごくたまにはいいのかもしれませんね』

「お、ありがとうな」

『どうせ妹関連でしょう? 面倒なので今すぐ月隠駅西口、時計塔広場に来てください。
本日はショッピングと外食の予定だったので、それに付き合うのならいいですよ』

「あー、そうか。悪いな」

俺の都合で一之江の予定を変えるのは悪いと思い、そう返事すると。

『さあ、私達の戦争(デート)を始めましょう!』

一之江はそう言い放ち電話を切った。






「お待たせしました」

「いや、俺も今来たとこ……え?」

待ち合わせをした少女の声がしたので、そちらを振り返ってみると。そこには愛らしい、清楚でお洒落な私服に身を包んだ一之江がいた。
普段、蒼青(そうせい)学園の制服姿しか見たことがなかったせいか、可憐で優雅なその立ち振る舞いとそのファッションサンスの高さに驚いてしまう。
清楚な私服が一之江には似合うと普段から思っていたが、まさかこれほどとは……。
そんな内心を感じていると、一之江は。

「どうしました。私の私服姿があまりに美しくて言葉を失ったみたいな顔をして」

まるで、人の心が読めるかのように、核心を突いてくる。

「って、なんで解んだよ??」

「貴方の思っていることくらい、解るといつも言っているではありませんか。ほら、ボケた顔しないで、とっとと行きますよ」

俺に背を向けるようにして、一之江はスタスタと先に歩き始めてしまう。
一之江の後ろ手にはポシェットが握られていて、それもまた可愛いらしくて、普段、殺伐とした世界を生きる一之江に……年相応なお洒落好きな面があることが解ってなんだか安心してしまった。

「貴方もそれなりの格好をしていますね」

「まあ、それなりには」

「大変いい心がけです」

本当はどんな服を着ればいいか、よく解んかったので。今朝まで着ていた服をそのまま着てくるつもりだったんだが、朝風呂に入って着替えようとしたら、今まで着ていた服はリサに洗われていて。この服が用意されていたか
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