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剣士さんとドラクエ[
8話 誤解
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「別にボクは戦闘狂な訳じゃないんだけど、強敵を見たら胸が躍るよね……もし戦いたい相手がドラゴン系ならさ、そういう技があったら便利だよねっていう率直な考えだったんだけど」
「……トウカはドラゴンにも挑む気だったんだ」
「もちろんそれまでに家継いでたらしないけどね」
「一応ボクには兄弟もいないし、両親に迷惑をかけられないし、ボクの使命はトロデーン王家の守護だしなぁ……。……でもちょっとぐらい夢見させてくれてもいいじゃないか?」

 左目でにかっと笑い、彼は勢い良くとてつもなく重い蹴りを目の前の魔物に叩き込んだ。行動と裏腹にその口ぶりは当たり前の常識を語るような、そんな軽い感じで。

 ……ん?トウカが戦闘狂じゃないって?それはないよ。絶対にない。戦闘狂じゃないんだったらどうしてそんなに楽しそうに戦っているの?武器だって持っているのに、わざわざ素手で戦ってみたり、蹴り技を使ってみたりして向上までしようとするのに。

・・・・
・・・
・・


 程なくして、リーザス村に着いた。村全体からのどかとか素朴とかのオーラが溢れ出してるね。実に平和だ。……にしてはちょっと人の表情が暗い気がするけどそれは都会のトラペッタが明るすぎるだけかな、うん。そういうことにしておこう。

 散々走ったり、暴れたりしたせいでぐしゃぐしゃになった髪の毛を軽く手櫛で整えてから、何とはなしに後方のエルトとヤンガスを振り返ってみる。すると何故か子供に絡まれていて、エルトが助けてと言わんばかりに視線を送ってくる。

 トロデーン領じゃないから捕まえられない上に、相手は子供。怪我をさせる訳にはいかないし、だからといってこっちも怪我してあげる訳にはいかない。ここは明るく振る舞おう。何か誤解してエルトとヤンガスに絡んでる子供から引き離そうかな。誤解も解かないと。

「あっはは、何絡まれてんの」
「お前も盗賊の一味かっ!」
「……強そう」
「んーー、確かにボクはその二人の仲間だけどね……」

 ちっさな子供にしては随分と物騒な言動だね。お粗末とはいえど、まあ本格的な武具を装備して。もしかして、衛兵ごっこでもしているの?村に入る奴はみんな盗賊とか思ってるのかな、何それ可愛らしい。

「お、お前はあいつらの用心棒だな!」
「……何その細かい設定」
「……強そうだぁ」

 ちょっとだけ惚けた顔をしたほうがやたらめたら褒めてくれている。やだ姉ちゃん照れちゃう。いや、君たちには兄ちゃんにしか見えないだろうけど。短髪にとても女には見えない服装、言葉使い、化粧っけのなさ。それから身長ぐらいの剣。……おお、確かに用心棒に見えるなぁ。

 もうちょいこの黒白基調の服に赤とかの正義っぽい色を入れたりすれば「盗賊の」は抜けるかな?私は剣とかに青色は使っているけど
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