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俺の四畳半が最近安らげない件
クリスマス 間男編
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「メリー・クリスマース!!」


なまはげの扮装をした、浮かれた男が乱入してきた。
俺の四畳半に。

「……は?」
としか云いようがない。何だ貴様は。
「……あり?」
男はようやく自分の場違いさに気がついたのか、とりあえずなまはげの面を外した。場違いとか云ったが、この扮装が場違いじゃない場所が今この日本にあり得るのか。男鹿半島ですら今日だけはナマハゲノーサンキューだろう。
「どちらへお訪ねですかね」
面を取ると何か間抜けな容貌というか、悪い奴じゃなさそうなので、一応常識的な感じで声をかけてみる。男は数秒固まった後、非常に恐縮しながらドアから一歩引いた。
「す、すんませんすんません、ここはその…金沢、ハルミさんちじゃない、ですよね」
「あー…それ、隣」
「そ、そうでしたそうでした、失礼しました〜♪」
男はウキウキと早口でそれだけ云うと、ドアを閉めようとした。俺は…なんか、男が気の毒になった。
「隣なら今、来客中ですよ」
ドアの動きが、ぴたりと止まる。
「さっきエレベーターで一緒になりました」
「………それは、その」
「男、だったけど」
閉まりかけていたドアが、がっと開いた。
「………まじですか」
からん、と発泡スチロールの包丁が落ちた。


仮面も包丁も失って玄関先に佇む、蓑を背負ったサラリーマン。対峙する俺。なんだこのクリスマス。


「仕事帰り…ですか」
「システム保守の仕事があって…彼女と別れて予定が空いた後輩が代わってくれたから…俺」
蒼白な顔の前に、蓑の屑がぶら下がっている。
「サプラーイズ、みたいなノリで、ですか」
「……まぁそんな感じで」
駄目だろ〜、メールくらい入れとかなきゃ〜…などというのは気休めか。クリスマスに家に来るくらいだものな。元々浅からぬ関係だったのだろう。
「いや!…もしかしたら弟とか!…ちょっと失礼しますよ!!」
蓑の男は俺の許可も待たず靴を脱ぎ捨てると、壁に駆け寄りぴたりと耳を当てた。…やがて、さめざめと泣き出した。何かこう、背負うと重くなるタイプの妖怪みたいだ。
「うぐぅう…うう……」
「………」
「とりあえず、場所伏せて携帯いれてみたら…」
「あ、はい…じゃ、LINEで」
「ちょっとまて」
俺は少々引っかかるものを感じて、奴の手を止めた。
「携帯の番号は、知っているか」
「……LINEなら」
「………」
「で、でもLINEでも通話できるし!」


――うん?


「…なぜ、今日なまはげを?」
「俺の郷里でなまはげ、やってて。俺の父さんも爺さんも、代々やってて。ウチになまはげセットあるんだぜっていったら、わー見てみたいーって、飲み会の時…」


そ、それでクリスマスになまはげを?


「で、あんたはよりによっ
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