暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第227話 絶剣と剣聖
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の1割も削れたかどーか……」
「ちょっと信じられませんよねー」

 そこで、先ほどまでは レイナが出してくれた《フルーツタルト》を相棒であり、頼もしい仲間であり、可愛いペットでもある、小竜ピナと一緒に頬張っていたシリカが話に割ってくる。

「私なんて、まともに空中戦闘(エアレイド)出来るようになったのに半年はかかったんですよ。なのに、コンバートしたててで、あの飛びっぷりですからね……2人ともが……」

 ふわりとピナと共に空中に浮かびながらそう言うシリカ。

 この飛べるVRMMOの事を知った時、シリカはどうしてもピナと一緒に空を駆け巡りたいと言う願望を果たす為に半年の帰還、特訓を重ねたのだ。随意飛行は、コツさえ判ればすぐに飛べるらしい……のだけど、シリカはそれを得るのに大層な時間がかかってしまったのだ。コントローラーを使って飛ぶ事は出来るんだけど、それじゃあ自分の羽で飛んでいる気がしなかったシリカは頑張って、随意飛行を身につけたのだった。

 ……彼女の苦労話はこれまでにしよう。

「あ、シリカちゃんもひょっとして、対戦したの?? ほら、リズさんとタッグで?」

 レイナはそう聞いた。

 リズのタッグマッチの件だけど、あの説明は見た(・・)事を話しているのではなく実際にそう感じた(・・・)事を話しているようにレイナは思えたのだ。それを聞いたリズは、罰が悪そうに顔を顰めて反らせる。
 シリカはと言うと、頬をぷくっと膨らませていた。

「そーですよー……。私は観戦しただけで、ぜ〜ったい勝てないこと判ったんですが、リズさんがどーしてもって言って聞いてくれなくて……、それで、2人とも、ボコボコにされちゃいましたよ」
「わ、わるかったわよ。でも良いじゃない。別に降参(リザイン)したんだから、死亡(デス)ペナがあった訳じゃないんだしー」
「ぶー、私だって戦う以上は勝ちたいって思うんですよっ! でも、あそこまでやられちゃうのは……」

 シリカの大きな耳がしょぼんと折れてしまった様だ。
 心情に合わせて動くから、またその姿も愛らしいとも思える。明らかに格上の相手だけれど、やっぱり悔しかったのだろう。

「それで その後、リーファさんも立ち会ったんですよ。ほんと、ちゃれんじゃーですよね。私たちの姿、見た後なのにっ!」
「う〜……だって、何事も経験だもん」
「あははっ。シノンさんは 剣士には興味無い、って言ってリーファさんと一緒には戦いませんでしたよね?」
「う〜〜……、し、シノンさんが入ってくれたら、もっと頑張れたもんっ!」

 となりで課題をしつつ、耳を傾けていたリーファにシリカがそう言うと、リーファは口を尖らせた。

 その姿を見たら判る。彼女も敗れ去ったと言う事を。リーファの実力も折り紙
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