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藤崎京之介怪異譚
last case.「永遠の想い」
U 4.25.PM6:57
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かから逃れるようにその場を後にした。
 大聖堂へ戻る道すがら、奏夜は囁くように俺へ問い掛けた。
「兄貴…あれは、何なんだ…?」
「何…って?」
「ありゃ…普通じゃねぇよ。あんなことが…起こって良い訳ねぇ…。」
 奏夜の声が、多少揺らいでいるのが分かった。かなりショックだったのだろう。いや…ショックでないわけがないか…。
「そうだな。だが、俺にも分からない。ただな…こういうのは一般的な事件にすり替えられ、大概は表に出ないんだ。それこそ…どこででも起きている可能性さえある。」
「そんな…それじゃ…」
「もう、この話は止めよう。ここで議論しても解決しようもないからな。」
 俺はそう言って会話を切った。奏夜は尚も言いたげだったが、俺は沈黙でそれを制した。
 夜空には無数の星々が瞬き、それらの輝きを統べる様に月が浮かんでいた。それを見れば、全てが幻想だったんじゃないか…とさえ思える程、それは美しい夜空だった。
 俺達はその空の下、無言のまま歩き続けた。




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