暁 〜小説投稿サイト〜
八神家の養父切嗣
三十八話:素顔
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

 小さな金属音と共に引き金が引かれる。銃弾が放たれるまでの僅かな時間にフォワード陣は反射的にジグザグに駆け始める。もしも相手の放つものが魔力弾であれば簡単に追尾機能をつけられただろうが生憎質量兵器。しかも拳銃ではその機能はない。

 動いている相手に銃弾を当てるのはプロであっても簡単なことではない。そのため不規則な動きを続けていれば相手はこちらに当てることは難しい。しかも相手は宣言通りに殺す気はないらしく足を狙って撃ってきているためにさらに当たる確率は低くなっている。

「全員、物陰に隠れながら後退!」
「冷静だな。だが、いつまで保つか」

 このままでは勝てないと瞬時に判断をして撤退の指示を出すティアナ。その様子に少し感心したような声を出しながら男は銃を止め、ゆっくりと歩き出していく。既にここは彼の狩場、どこに人が隠れられる場所があるかなど手に取るように分かる。まるでそう語りかける様な足取りに四人は息を潜めながら思考を働かせる。

 スバルも男に思うことはあるが気にしていれば一瞬のうちにやられてしまうので今は思考の片隅に追いやっている。魔法を使えない以上はこちらの攻撃手段は限られてくる。また、念話も使えないために連携も取り辛い。

 だが、その程度のことで完全に連携が防がれるようなやわな訓練は組んできてはいない。簡単なジェスチャーとアイコンタクトだけでお互いに作戦を伝え合う。こちらに戦う手段がない以上は取れる手は撤退してAMFから切り抜けることが最善の策。場所が分かれば破壊することもできなくもないが敵が分からせてくれるとは思えないためひとまず却下。

 三十六計逃げるに如かず、とにかく逃げるしか道はない。だが、やられるばかりで終わるほど素直でもない。何とか相手の裏をかいてやろうとお互いに頷き合い四人は一斉に動き始める。

「分かれて動き始めたか。時間を稼いで救援でもを呼ぶつもりか?」
「はぁっ!」
「てやっ!」

 一斉に姿を現し、動き始めた四人の動きに男は僅かに目を見開く。ティアナとキャロがまず飛び出して逃げ始めることで敵の注意を向けさせ銃口を向けさせたところで横合いからスバルとエリオが突進を仕掛けてくる。そんな攻撃的な作戦の意図を時間稼ぎかと判断しながら男は迎撃に応じる。

「いい連携だな」

 右方向から繰り出されるエリオの槍による鋭い突き。それを難なく躱し照準をエリオに合わせようとしたところに左手からスバルの拳が襲い掛かってくる。今度はスバルに狙いを絞ろうとすればエリオからの攻撃で中々攻めることが出来ない。

 どちらも魔法によって強化されたものではないが鈍器で殴られることと何ら変わらない。特にスバルに関しては元々の身体能力も高いためにナックルを下手な場所に受ければ最悪死にかねない。そのために安
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ