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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第五十三話 クロプシュトック侯事件(その1)
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と二人きりで話している。雰囲気も悪くなさそうだ。邪魔するのは悪いかと思ったが、ミューゼル大将もケスラー少将も彼と話したがっている。それに、どんな相手なのか見てみたいという気持ちも有る。思い切って声をかけてみよう。

「エーリッヒ」
「ナイトハルト」
エーリッヒはうれしそうな声を上げた。ハテ、その女性をもてあましていたな。悪い奴だ。
「元気そうだな」
「おかげさまでね」

俺たちの挨拶に割り込むようにミューゼル大将が話しかけてきた。
「久しぶりだ、ヴァレンシュタイン中将。皇帝陛下御不例のときは色々と姉の事で気遣っていただいたようだ。礼を言う」
「いえ、仕事ですから、お気遣いは御無用に願います。伯爵夫人にお会いなされたのですか?」
「うむ、色々と姉より聞いた。感謝している」

なんとなくぎこちないな。どうもミューゼル大将はエーリッヒを意識しているようだ。競争相手と見ているのだろうか。俺と同じような事を考えたのかもしれない。ケスラー少将が話題を変えようとした。

「ところで中将、そちらのフロイラインを紹介してもらえないだろうか?」
「そうですね、こちらはユスティーナ・フォン・ミュッケンベルガー嬢。ミュッケンベルガー元帥の御令嬢です」

「はじめまして、ユスティーナです」
「これは、ラインハルト・フォン・ミューゼル大将です」
「ウルリッヒ・ケスラー少将です」
「ナイトハルト・ミュラー少将です」

みんな驚いている。まさかミュッケンベルガー元帥の娘。この場でエーリッヒが相手をしているってことは、元帥も公認って事か? ま、若手じゃ、エーリッヒかミューゼル大将だが。
「まさか、元帥閣下の御令嬢だとは思いませんでした。失礼ですが余り似てはいらっしゃいませんね」

ケスラー少将が話しかける。ミューゼル大将も同感なのだろう、微かに頷いている。そんな俺たちを見てエーリッヒとフロイラインは顔を見合わせ苦笑した。
「?」
皆が不審に思っていると、エーリッヒが
「先程、小官も同じ事をフロイラインに言いました」
と言い、もう一度フロイラインと顔を見合わせ苦笑した。

それで緊張がほぐれたのだろう。他愛もない会話がしばらく続いた。一番の話題はなんと言ってもミュッケンベルガー元帥のプライベートだった。俺たちは皆元帥のプライベートを知りたがり、自宅でも威厳に溢れているのかとか、嫌いな食べ物があって残したりしないのかとフロイラインを質問攻めにした。彼女は笑いながら答えてくれたが、それによると、どうやら元帥は自宅でも元帥のままらしい。

「それにしても、今日は珍しい方に会いますね」
ケスラー少将の言葉にエーリッヒが問いかける。
「フロイラインの事ですか?」
「それもありますが、クロプシュトック侯に会ったのですよ」
「……ク
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