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俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
42.La La Bye…
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きた!!」
「そうか。お前の事は忘れねぇよ。いい奴だった」
「ムチャシヤガッテ……」
「は、話せば分かってくれるって!多分!きっと。そうだといいナ………」

 明日死刑にかけられるような表情を浮かべる男性が居た堪れなくなったベルはおずおずと声をかける。

「あの、僕知り合いなので説得しましょうか?多分許してくれると思うので……」
「きみが天使か……結婚しよ」
「いやいやいや僕男ですからね!?」
「分かってる……結婚しよ」
「全然分かってらっしゃらない!?この人アタマおかしいよぉ!!」

 ……唐突な告白はさておき、屋根の上を圧倒的な機動力で駆け回る『移動遊戯者』の足を持ってすれば、鎧の場所把握や誘導などお手の物だ。更に思わぬ鎧の弱点である事が判明したポーションによって次々に鎧は爆破され、脅威は着実に減少していた。

 爆発の二次被害で街のあちこちから噴煙が上っているのはいただけないが、鎧の進路が避難困難な貧民街である以上は速やかに排除しなければならない。壊れた家の持ち主には申し訳ないが、これも尊い命を護る為である。
 そして、悪霊の軍団が次々に駆逐されていく中、悪霊の王は未だに二人の冒険者に圧倒されている。

「あのデカイのが何で、何をしたかったのかはサッパリだが……終わりだな」
「ああ。この街で暴れたんだ。そのツケは体で払う事になんだろ」

 『移動遊戯者』たちの目線の先には、抵抗虚しく進行方向と反対側に吹き飛ばされる巨大な鎧の姿があった。何に燃え、何に狂ったのかは不明だが、その姿は恐ろしさより哀愁を感じさせるほどに惨めだった。


 ……なお、ここでベルが嬉しくもない男の熱烈プロポーズを受けてしまったどさくさで逃走して無事に集団から解放されたことを申し訳程度に追記しておく。



 = =



 僕には時間がないんだ。急がなくてはならない。なのにこいつら羽虫共はどうして何度も何度も何度も何度も――

『何度も何度もぼぼボボ僕の邪魔をすっrrrrrぇうなああおああああオオオオオッ!!』

 巨大な拳を振り上げ、次第に上手く出力されなくなる声を聞きながら叩き下ろす。全高6Mオーバーの鉄の巨人の身体から繰り出される、人体保護の無意識化にあるリミッターを解除した一撃が振り下ろされる。
 だが、狙った二人の女冒険者はすぐさま回避し、結果的に僕の拳は石畳を粉砕するだけに終わった。ならば、と前に進もうとした瞬間、脚に何かが引っかかって大きくバランスを崩し、転倒する。頭部に内蔵された呼び鈴がけたたましい音を響かせる。
 足元を見ると糸が絡まっている。冒険者の片割れの女が振るっていた物だ。これまでのものと違って足に絡みついて離れない。

『グぅ……ジジ邪魔まばかりを……僕はあの日の罪を
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