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大統領 彼の地にて 斯く戦えり
第十二話 盗賊終了のお知らせ
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「始まったようですな」
シェーンコップは双眼鏡で東門の方を見ながら言った。
「0311、夜襲には絶妙な時間ですね)
倉田が感心しながら腕時計を見た。
「盗賊とはいえ元は正規兵です。そのあたりは弁えているんでしょう」
霜原が補足した。
「東門から増援要請は?」
「まだありません」
「そうか」


東門では既に城壁に敵が取りつきつつあった。
「矢を放てっ!壁に取り付かせるな!!」
城壁守備隊の指揮官であるノーマが兵士達に指示を与える。
しかし盗賊団にいる精霊使いによって矢はすべて無力化されていた。
民兵たちの奮戦虚しく、城壁は盗賊たちによって完全に制圧された。盗賊団はいくら殺しても向かってくるため、兵士達は恐怖に駆られて次々と逃げ出し、背後を取られて一人また一人と倒れて行った。
そんな中ピニャは伯爵邸のテラスからそれを呆然と眺めているだけであった。
そして城壁が制圧されるとすぐに城門は開場され、城外にいたヒャッハ―な人たちが城壁内になだれ込んできた。
盗賊たちは殺した民兵の死体を見せつけるように投げ捨てた。そして不気味に笑いながらその死体をこれでもかというほど無残な状態へと変貌させた。
「この畜生共がぁぁあああっっ!!」
一人の民兵が柵を越えたことをきっかけに民エぴ達は彼に続けと柵を越えて盗賊たちに襲い掛かった。
ピニャは必死に抑えようとするが、すでに指揮統制は無きに等しく、バラバラに攻撃していたずらに兵力を消耗させていった。

「救援はまだなのっ!?」
「緑の人たちは!?」
市民はロンディバルト軍の増援に望みをかけたが、ピニャ自身が捨て駒として南門に配してしまっていた。加えて南門の二次防衛線に大量の防御兵器とただでさえ少ない正規兵の殆どをおいてしまったのだった。

「隊長・・・?」
桑原がいつまでも命令を下さないペルシャールに焦るように言った。

「はぁ、やはり向こうからは命令できないか」
ペルシャールは期待とはずれた結果にため息を吐いた。
「最低人数を残して東門の救援に向かう」
「了解!!」
ようやく来た命令に隊員達はすぐに応答した。


・・・・・・・・・・・・


アルヌスの特地派遣軍総司令部ではハイドリヒの前に数名の将官が直立の状態で立っていた。
「現在、第三偵察隊がイタリカの代表ピニャ・コ・ラーダ氏から要請で追加支援を求めて来ている」
「是非、我が第六機甲師団に行かせてください!!」
「第三機械化歩兵師団編成完結!すぐにでも出撃できます!!」
「いや、ここは我ら第七混成師団に!!」
「駄目だ!!」
久しぶりの戦闘とあって各師団長は口々にわが部隊にと志願の声を上げたが、第一航空騎兵団の健軍少将に静止させられた。
「地面をちんたら移動してたら到着に時間が掛かりす
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