暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生北海道に行く
第四幕その九
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 先生は湯舟の中で言うのでした。
「お酒を飲んだ後はよくないけれどね」
「はい、お風呂は」
「本来はね」
「けれどいいね」
 こう王子とトミーに言うのでした。
「本当にね」
「お風呂いいですよね」
 トミーも言います。
「それこそ、ただ」
「ただ?」
「ここでお酒がです」
 お酒のことをです、トミーは言いました。
「抜けますから」
「うん、いいことだね」
「お酒を沢山飲んですぐはです」
「お風呂に入ったらよくないね」
「ですが僕達結構歩いていてです」
「飲んでから時間も経っているしね」
「そのこともありますから」
 だからというのです。
「いいと思います、ただ」
「すぐにサウナに入るとね」
「それはよくないです」
 絶対にという口調でした。
「飲んですぐに、かなり酔っている状態でサウナに入りますと」
「身体に悪いからね」
「絶対に止めた方がいいです」
「うん、イギリスにいた時は気にしていなかったけれどね」
「大体イギリス人はお酒に強いですしね」
「日本人よりもね」
 先生もこのことについて言及しました。
「アルコールの分解が早いね」
「エールを毎日飲んで慣れてもいますし」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「僕達も日本人から見れば相当に飲んでるけれどね」
「あまり酔っていませんし」
「こうしてお風呂にも入られるね」
「そうです、ですが」
「サウナはね」
「もっとお酒を抜いて」
 そしてというのです。
「すっきりしてから入りましょう」
「アルコールを抜いてね」
「それからです」
「そういえば日本人はね」
 王子も言います。
「すぐに酔っ払う人多いよね」
「そうだね」
「僕から見てもね」
「日本人は縄文系の人と弥生系の人が混血しているんだ」
 先生は王子にこのことからお話しました。
「それで弥生系の人は身体の中にアルコールを分解するものがなくてね」
「お酒に弱いんだね」
「そうなんだ」
「そういうことなんだね」
「例えば織田信長さんはお酒を全く飲めなかったんだ」
 戦国時代の英雄です。
「あの人はね」
「へえ、如何にも相当飲みそうな人なのに」
「実はお酒は本当に駄目で」
 それでだったというのです。
「甘いものが好きだったんだよ」
「意外だね」
「そうだね、けれど実際にそうだったらしいんだ」
「織田信長さんはお酒に弱かったんだね」
「そうだよ」
「成程ね」
「織田信長さん以外にもそうした人が結構いてね」
「弥生系の血が強い人がだね」
 王子もこのことを理解して言いました。
「お酒に弱いんだね」
「そうだよ」
「わかったよ、そのことも」
「うん、僕達とはそこが違うんだ」
「確か三河町の親分もそうだったし」
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ