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ソードアート・オンライン〜隻腕の大剣使い〜
第25話黒の奥の手、隻竜覚醒
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てこの男の身体はポリゴンとなって消滅した。

「ありえない、だぁ・・・?」

オレの中から何かがフツフツと沸き上がってくる。その現象の名前は解ってるーーー怒りだ。一つはあの悪魔に対する怒り。そしてもう一つがーーー

「ありえないのは・・・お前らだろうがァーーーーーー!」

気付けばオレは走り出していた。後ろでオレの名を呼ぶ仲間達の声ですらもはや怒りでかき消されている。オレは腰の抜けた《軍》の一人に狙いを定めたグリームアイズの背中を《ドラゴンビート》でーーー竜の翼で切りつける。そのせいか悪魔の標的はオレに替わった。まっすぐ突き出された左の拳を上手く受け流し、オレが助けた男の前に立ち、その男の方へ振り向く。

「お前ら・・・」

言いたいことがあるから。

「あのボス戦の後から、一体何をしていたんだ!一体何を学んだんだ!!」

25層攻略の時と全く変わってないーーーあれから一年以上経っているのに、何も変わってなかった。それだけでオレの怒りはヒートアップしてくる。
怒りのあまり忘れていた、気付かなかったーーー後ろで大剣を降り下ろそうとする悪魔の気配に。すぐにカッとなって周りが見えなくなるのは悪いクセだ、自分でも認めてる。流石にもう回避は間に合わない、そう諦めかけている時ーーー

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

《黒の剣士》の最強の魔剣がグリームアイズの大剣の軌道をずらし、オレと《軍》の男はその刃を受けずにすんだ。

「ミラ!そいつを避難させろ!ライリュウ!俺と一緒に突っ込め!」

「了解!全く・・・一人で突っ走るお兄ちゃんもお兄ちゃんだよ!」

「みんな・・・ゴメン!」

キリトと未来の呼び掛けに目が覚めた。未来アスナさんとクライン達《風林火山》は他の《軍》のプレイヤーを避難させている。そのみんなにさっきと同じ禍々しい咆哮を放とうとするグリームアイズにオレとキリトが後ろから切りつける。だけどーーー

「硬い・・・!」

オレ達の一撃が大して効いていない程に硬い悪魔の肉体に思わず悪態を吐く。その後はグリームアイズの大剣がキリトの脇腹、オレの太股を掠める。
パワーがちょっとーーーいや、かなり強い。オレもキリトもHPがどんどん削られてる。このままじゃ本気でヤバイーーー

「キリトくん!」

「お兄ちゃん!」

「キリト!ライリュウ!」

アスナさんと未来、クラインがオレ達の名前を叫ぶーーーというか最後がクラインかよ。仮にオレがここで死ぬとしても、最後に聞く声がおっさんだなんてーーー

「冗談じゃねぇっての!」

ヤケクソ染みた一撃でグリームアイズの大剣を弾き返す。そのすぐ後にグリームアイズは一刀両断の如く大剣を降り下ろし、それに反応したオレとキリトは互いに横に跳び避ける。
こう
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