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ドリトル先生北海道に行く
第四幕その三

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「出来るかな、イギリスで」
「難しいね」
「それも相当に」
「ちょっと以上にね」
「やっぱり」
「うん、考えてみたけれどね」
 先生も言います。
「そのままは無理だろうね」
「イギリスの中に日本のお屋敷はね」
「そのまま入れることはね」
「やっぱり難しいよね」
「どうしても」
「だからそこはね」
 どうするのかをです、先生は言いました。
「アレンジを加えてね」
「イギリスに合う様に」
「日本のお屋敷をアレンジして」
「そうして入れるべきであって」
「そのままだとどうしてもなんだね」
「住むことも難しいし場違いになるね」
 小樽の煉瓦の街並と違って、というのです。
「そこはね」
「そこを合わせないといけな」
「ただ建てるだけじゃないんだね」
「そこが難しくて」
「どう合わせるかが問題なんだね」
「そうだよ、そこが難しいね」 
 こう言うのでした。
「けれどそれが出来たのが日本人なんだよ」
「この小樽がそうだよね」
「ただ西洋の建物を日本に入れたんじゃなくて」
「こうして自然にそこにある様にした」
「完全に日本に入れられたんだね」
「よく只の物真似と言われるけれど」
 明治維新のその西洋を学んでいった日本はです。
「そこは違うんだ」
「日本に合う様にアレンジして」
「学ぶ中で」
「そして完全に日本に入れた」
「自分達の中に入れたんだね」
「日本人はそうしたことが凄く上手なんだ」
 先生は手放しで賞賛しました、日本人のその資質を。
「この小樽でそのことをあらためてわかったよ」
「うん、確かに凄いよね」
 王子も運河を見つつ言います、西洋風でありながら完全に小樽のものになっているその見事な運河をです。
「この小樽にしても」
「そうだよね」
「しかもね、この小樽ってね」
「何かあるのかな」
「西洋だけじゃないんだよね」
「というと」
「先生も知ってると思うけれど」
 にこにことしてです、王子は先生にお話しました。
「この小樽の名物はね」
「お寿司だね」
「そう、ここはお寿司が名物なんだよ」
 先生にこのことをお話するのでした。
「日本なんだよね」
「うん、そうした街だね」
「じゃあお寿司も食べるよね」
「そうしたいね」
「はい、お寿司は夜に食べましょう」
 ここでトミーが言いました。
「お昼はお昼でもう考えています」
「というと」
「はい、実はこの小樽にはいいホテルがありまして」
「何ていうホテルかな」
「グランドパーク小樽といいます」
 それがそのホテルの名前だというのです。
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