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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第13話 幻の世界
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レベルアッパー事件解決の糸口となるかもしれない。
サソリが言いだした幻術の存在に若干の好奇心を抱きながらも御坂達は、呆けてばかりいる白井を使って幻術の効能を探ってみようとするのだが
個人的な照れにより、サソリの写輪眼を真っすぐ見ることができない白井に業を煮やしたサソリは糸を飛ばして、本来のやり方で白井を幻術へと落とし込んだ。
白井は糸が飛ばされてからチャクラを流されて、頭がポーとしだしていき、不意に目の前が暗くなって自分以外は誰もいないように感じだした。
そして流れてきたのは、まだ小学生の時
ジャッジメントに成りたての頃に鉢合わせした銀行強盗事件だ。
自分でなんでもできる気がして、解決できる気がして威勢よく飛び出して行ったが
自分の行動に先輩は傷つき、初春は人質に囚われる事態に陥ってしまった。
自分も押し倒されて足首を捩じれて踏まれるという小学生の子供には酷な動けなくされかたで痛みに悶える。
本当であれば、初春を自分のテレポート能力を使い外に逃がすことで好転していくのだが、ここの中で永遠とも取れる時間の中で自分は責められ続けている。
テレポートを使おうにも対象の物体や人に身体が触れていなければならない
しかし、初春は白井よりも遠くにいて手を伸ばしてもどうやっても届くことはできなかった。
ゴキゴキと硬い物体が擦れ、乾いた音が骨伝導で白井の耳にまで届いた後で囚われている足首に激痛が走った。
容赦なく強くなっていく大人に近い重さを僅か数十センチの幅の足首で受け流せる訳もなく地球の物理法則にしたがうように潰れて、波打った痛みがダイレクトに脳内へと受け流される。
あぁぁぁ!!
声を出すのも痛いくらいだが、叫ばずにはいられない。
痛い
もう嫌だ
まだ子供なのに、世間の厳しさを容赦なく思い知っている小学生だ。
子供を守るのが年上の役目のはず……
誰も助けにきてくれない
自分ではどうすることもできない無力感に打ちのめされる。どこで間違っただろうかと変更不可能な過去を嘆く。

心細さに痛みに耐えながら頭を上げる。
弱音を吐いてはいけない。自分は弱き者を助ける正義の味方だ。
そう振るい立たせて、少しでも改善策を探すようにキョロキョロと見渡す。
もっとも頼りになるのは、ジャッジメントの先輩。
白井は殴られて倒れている先輩を視界に収める。
先輩の腕に力が宿って、予定通りに起き上がってくれた期待に応えるようにゆっくりと身体を捻らせる。
しかし、動きがおかしいことに気が付いた
先輩の身体で力が入った箇所以外は力なくダラリと下に垂れている中で身体の四方八方からてくる動きに誇張して合わせるようにしばし機械的な動きをしている。
人形……?
そうだ人形だ。
糸を引く手が未熟ともとれる程不自然な動き方をして身体をふらつかせる。

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