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ほね・骨 ・Bone!!〜【30万人の骸骨が、異世界に移住した結果がこの有様だよ!】
10話 祖国戦争  序戦 -6「熟練した弓兵によるロングボウの最大射程は500m?」
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いているっ……?!
俺、何と戦争しているんだっ……!)

ようやく、ピザーラはこの戦いが普通の戦争じゃない事に気がついた。
死人と生者の争い。相手は文字通りの化物。アンデッド。死人。
大量の矢がピザーラ達へ目掛けて降り注ぐ。その度に顔見知りの同僚や上司が動かなくなった。
骸骨が使うロングボウ……それは強力な長弓の一種。
腕の形が変わるくらい鍛え上げられた筋力がないと、まともに運用できない。だが、運用できれば速射はできるわ、射程距離は長いわと鬼に金棒を与えるようなスペックがある。
特に強力な連射ができるのは良い利点だ。弓兵が少数でも大活躍できる。
高LVの骸骨(スケルトン)の筋力を上手く活かせば、信じられない有効射程だって出せる。
その事実は……矢を雨のように浴びせられる側のピザーラにとっては不幸だったが。

(お、俺には当たらないっ……!俺には当たらないっ……!ピリカちゃんと結婚するって誓ったんだっ!
だから生き残れるっ!神様は俺を見てるっ!)

こんな悲惨な状態でもピザーラは逃げられない。
脱走兵は死刑、もしくは懲罰部隊へ編入される。脱走に成功しても故郷に帰る前に餓死するのがオチだ。
ここって異国だし、安全に旅行できるはずもない。
それ以前に、集団で移動中に、個人が別の方向へ移動すると事故りやすい。(現実の自衛隊でも行進の訓練中に、『皆に踏み潰されて死んだ』悲しい事件があった)
辛いけど人生って戦争なのよね。

(勝ち戦なんだっ……!
だから、俺は生き残れるんだっ……!)

「へへへへへっ!ピザーラ落ち着けよ!
矢なんて滅多に当たらないぜ!
当たっても、首都を落とせば勝利だからなっ!
だから――」

左隣にいる先輩のパウダー伍長が安心するために語りかけてきた。
でも、突然、声がしなくなったから、ピザーラは左を見た。
そこにはパウダー伍長の姿はない。
集団行動中に転ぶと、皆に踏み潰されるから、パウダー伍長はひき肉になっていた。

(良い人ほど早死するって噂っ……!
本当だったんだっ……!)


〜〜〜〜〜

的確に弓矢による面制圧攻撃を繰り返す骸骨達。だが、このままでは敵軍に接近され、跳ね橋を突破されるのは時間の問題だった。
現代や近代なら機関銃で物量任せの突撃を阻止できるが、スケルトン達のアイテムボックスにはそんな武器はない。
弓矢って何だかんだ言って、連射力も貫通力も機関銃と比べれば『アリとゾウ』ほどの性能差があって微妙。だから敵軍の進撃を止めるのが難しい。
ロングボウより、戦国時代の火縄銃の方がこの場では役に立つはずである。無論、そんなもんはないが。

(くっ……!このままでは城門を突破されるっ……!
陛下がいるから陥落はしないだろうがっ……!私の信用が失墜する
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