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ほね・骨 ・Bone!!〜【30万人の骸骨が、異世界に移住した結果がこの有様だよ!】
9話 祖国戦争  序戦 -5「ピィザな人々」
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書き記せ。
偉大なる征服王な俺が率いる軍勢を見た者達は、自らすすんで跳ね橋を降ろし、内部から余を受け入れた。
その時、余はこう言った。
『一匹の豚に率いられたライオンの群れは怖くない。私が恐れるのは一頭のライオンに率いられた豚の群れだ』とな。
あ、この豚はセイルン王の事だからな。ちゃんと書いておけよ。
一人称は『私』にした方が礼儀正しい感じに見えて好感を持たれるからな。
不都合だから、ヤスの名前は削除しろ」

その言葉を背に、天幕の外へと追い出されたチィズは、今回の戦場の可笑しさに悩まされた。
ほぼ全てのルートから、『似たような誤報』が届く。
これは本来ならありえない事だ。
情報は戦争の結果を左右する。それゆえにチィズは確実性の高い情報を元に、作戦を決めて戦う。
だからこそ、情報の入手経路は常に複数用意し、そこから相手の行動を推測した後に判断するのだ。。
もしもこれが本当に誤報だったら、ピィザ王国軍はとっくの昔に、偽情報に踊らされ、自身の無能ゆえに自滅していたはず。

(動く骸骨を見たという報告も前線から届いている……これも誤報なのだろうか?
今日の昼から、全てが可笑しくなったっ……。
空を飛ぶ豚(プラチナに蹴られた馬鹿王子)を見たという噂も広がっているっ……。
飛ばない豚はただの豚だが、飛ぶ豚は何と呼べば良いのだろかっ……?)

チィズ軍師のよく動く頭がカロリーを大量消費、高速回転して考え込む。
……動く骨なんてものは、ありえない。
死者は動かない。
邪神なんてものは存在しない。
天使は存在して、奇跡の力を人間にプレゼントしてくれる。
なら常識的に導き出せる答えは――それは戦場でよくある出来事。

(そうか、わかったぞ。
セイルン王国に超有能な奴がいるのだ。
恐らく、そいつが連絡員を懐柔して、偽情報を流しまくっているに違いないっ……!
前線から届く誤報も、おそらくは……偽情報!軍にスパイが大量にいるっ……!?)

チィズは背筋が震えるほどに戦慄する。
工作員とか忍者って待遇が悪い。ゆえに大金で顔を叩けば裏切りやすい職業のはずである。
日本の戦国時代を見れば、彼らの低待遇っぷりが分かりやすい。下忍は上忍に給料をピンハネされて給料は雀の涙。まるで悪質な派遣会社さん。
風魔衆に至っては、北条滅亡後に失業して大盗賊団に転職。
江戸時代では忍者は借金して生活。副業持ってないと生活できない。そんなブラック業界だ。
忍者業界から退職したら、暗殺者が差し向けれたりとか、なんとかかんとか。

(いつの間にかっ……追い詰める側の私たちが、逆に追い詰められていたっ……?)

今までの誤報が『偽情報』を流す工作による結果だとしたら、とんでもない規模で寝返り工作が軍に浸透している事になる。
スパイど
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