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ほね・骨 ・Bone!!〜【30万人の骸骨が、異世界に移住した結果がこの有様だよ!】
2章 祖国戦争 35万 VS 1万
5話 祖国戦争  序戦 -1 「お前は既に包囲されている」
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セイルン王という名前のオジサンが宮殿にいる。
つい先ほどまでは、自信溢れる無能独裁者という迷惑すぎる存在だったが……これから『元』王様になるのか、王様家業を続行できるかは彼の上司次第。
無職にクラスチェンジしなかったのは、いくつか理由がある。
まず、既存の統治機構ぶっ壊して新しく構築するのは、とっても面倒臭い。
だから、ワルキュラは自身の地位を皇帝にして、セイルンを(かしん)として存続させてジワジワ乗っ取る事にした。


今、ワルキュラは紅いふかふかの玉座に座り、小さくて可愛いルビーと仲良く談笑している。

「僕、頑張って後継ぎを産めるように頑張ります!」無邪気すぎる銀髪の少女。

「あ、ああ?」戸惑いながらワルキュラは返答した「頑張れ……?」

彼は内心で
(え?骸骨な俺と子作りしたい?ルビーちゃんはそんなに変態だったか?)
首を傾げた。

「はいっ!僕、サッカーチームができるくらい、たくさん子供を産みます!」

「う、うむ、夢が大きい事は良い事だっ……?」

「夜伽は何時でも大歓迎です!」

ワルキュラ達の常識が完全崩壊した会話の数々。
玉座の隣にある青い椅子に座っているセイルンは、これを聴いて頭が発狂しそうだった。

(あわわわわわわっ……!
骸骨がっ……銀髪の美少女と子作りっ……する!?
ワ、ワシの世界がこ、壊れるっ……!?)

セイルンの頭が本当にどうにかなりそうだ。
『骸骨にチン●ねぇよ!』とツッコミたいが、ひょっとしたらワルキュラの黒いローブの中に『骨のチン●』でもあるのかもしれない。
それを想像するだけで、おぞましさを余計に感じ、この場から今すぐ逃げ出したい。

(いや、骨のチン●は刺さるだろっ……?ワシの常識的に考えてっ……?
ま、まさか……骨を突き刺す事を前提にした繁殖っ!?
骨を突き刺して繁殖するのかっ……!?
あわわわわわっ……!やっぱり邪神だっ……!)

正直、セイルンは生きた心地が全くしなかった。
国家の財政は丸ごとワルキュラに奪われ、もう美女を集めたハーレム生活や、贅沢三昧うはうはライフは出来なくなった。
無数にいる王子・王女達を養う事も難しい。
セイルン王の血筋という価値が激減した。そんな状況で、わざわざ大枚はたいて王族を養う奴らは少数派だろう。
だが、そうなると贅沢に慣れた王子達は――路頭に迷って死ぬ事になる。そうセイルンには他人事のように理解できた。

(いや、息子達は息子達で何とかするだろっ……。今はワシの保身を優先せねばっ……!)

そんな時だ。
ワルキュラが渋い声色で話しかけてきたのは

「おい、セイルン」

その瞬間、セイルンは椅子から力強くハイ・ジャンプ。
空中でクルリッと一回転。着地と同時に顔面を床に打ち
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