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ほね・骨 ・Bone!!〜【30万人の骸骨が、異世界に移住した結果がこの有様だよ!】
3話 国盗り物語-3 「不死王のミュージカル」
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(邪神が全てを支配したら……給料はどうなるんだ?)

お父さんの仕事は、家族を食わせる程度の給料を稼ぐ事。
しかし、セイルン王国の支配者が変われば、日本人奴隷達はお払い箱になる可能性がある。
この国にはハローワークはない。仕事はコネがないと見つからない。そもそもインドみたいなカースト制度が支配する国。
職業を自由に選択できる権利なんてものは最初から存在していない。あるのは重労働で低賃金な仕事だけ。
日本人である。ただそれだけで理不尽な社会的なペナルティを負っているのだ。

(ヤスノリ、ヤスコ……お父さんはどうすれば良い?)

ヤスは二人の子供達の姿を脳裏に浮かべる。
彼は子供の笑顔を守るためならば、王だって斬り殺せる(拉致誘拐を命じた本人だし)
圧倒的な力を持つ邪神なら、従えば給料くらい出してもらえるはずだ。
王国に義理はない。むしろ、戦争を強要して同胞を無残に戦死させられた恨みがある。
親友の長島は疫病で『死にたくないよぉ……母ちゃん】と言って戦地で事切れた。
クラス一番の美少女サユリちゃんは『あぅ?』エッチィ仕事をさせられ、最後は虚ろな目にかかって性病で死んだ。
セイルン王国は、日本人を奴隷同然に酷使して捨てる最低な国だ。無理やり人間を召喚して奴隷にするウンコ国家だ。

(俺は家族を守りたい。ノリコを守るとそう誓ったんだ。
ならば……邪神とやらに従うべきなのだろうか……?)

そう思ったヤスの前で、死者の軍勢によるパレードが始まった。
三十万を越すスケルトン達が、手に持っている武器を地面に激しく打ち付ける。

「「我らの偉大なる王っ!死を超越して復活せり!
我らっ!スケルトン大陸軍っ!この物量を持ってワルキュラ様の覇道に加担するものなり!!」」」

喉がないはずなのに、人骨達が奇妙な声を発した。
それは重くて、聞いているだけで背筋が寒くなる。
太陽光が辛くて、手足の骨が重くて、スケルトン達がプルプル苦しそうに震えていたが……ヤスの目には

(このワルキュラという死の王の復活を……こいつらは心の底から喜んでいるんだっ……!
これだけ膨大な数の死者が崇拝する存在とは一体っ……?!)

スケルトン達が歓喜に打ち震えて、プルプル震えながら武器を地面に打ち付ける。そんな光景に見えた。
今度は千人近くいる吸血鬼達が、近くにいる兵士の槍を奪い、それを地面に打ち付けて叫ぶ。

「「百八の世界に名が届いた大魔王ワルキュラ様!地獄から再びお帰りになられた!!
我ら吸血鬼親衛隊っ!主を守る最強の精鋭なり!」

太陽光が辛すぎて、吸血鬼は全員が無理やり、顔の筋肉が引き攣りまくった『不自然な作り笑顔』を浮かべていたせいで、それが人々の恐怖を呼んだ。
顔は笑っているのに、目が死んでいる。心を
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