暁 〜小説投稿サイト〜
鎮守府の床屋
番外編 〜夜戦トーナメント〜
決勝戦・ラストバトル
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 長かった……暁ちゃんとビス子……二人のわがままから端を発し、そしてこんな一大トーナメント大会が開催され、お姫様ハルの膝枕と耳掃除をかけた艦娘たちの戦いは、この決戦ですべてが終わる……。

「長かったクマ……血の滲むような努力……終わりの見えない戦いの連続……ここまで長かったクマ……」
「おい」
「そしてこの戦いに勝利した球磨はついにハルを手に入れ、新たな球磨型軽巡洋艦六番艦・ハルとしての新たな艦娘人生を……」
「送るわけがないだろう。いい加減妄想もそのへんにしておけ妖怪妄想女」
「そう言ってられるのも今のうちだクマ。クックックッ……」

 もうホントに悪の総大将に変貌を遂げてしまった妖怪アホ毛魔王は、演習場から卑猥な眼差しでおれの全身を舐めまわすように凝視していた。そんなに俺を艦娘にしたいのか……

「えー! ハルが艦娘になるのー?!」
「ヒャッヒャッヒャッ!! ハルは婿養子になるのか〜!! これは新しいタイプの二人だねぇ提督〜!!」
「だなぁ。普通の人間が艦娘と婿養子で結ばれたらどうなるんだろうなあ」
「わかんないね〜! でもまぁハルが実践してくれるよ〜」
「俺も相手がお前なら……マイスイートハニー・隼鷹!!」
「あーはいはい。提督さんと隼鷹はよそでやってくれ。暁ちゃんもあいつの戯言を本気にしないでくれ」
「くかー……」

 試合が終わった子たちが俺と提督さんの周囲に集まって、みんなで提督さんのシュークリームに舌鼓を打ちながら球磨と川内の試合を今か今かと待ちわびる。待ちくたびれたせいなのか、加古は手すりにもたれかかって鼻ちょうちんを膨らまし、暁ちゃんは俺の膝の上にちょこんと座って一人前のれでぃーらしく慎ましやかにしていた。

「俺の膝って賞品なんだけど……いいのかな……暁ちゃん乗っけてて」
「いいのよ! だって暁は一人前のれでぃーなんだから!!」
『まぁいいんじゃない? 誰も文句言ってないし』

 『お前ら膝枕以外にはえらくアバウトだなぁ』というツッコミが喉まで出かかった。俺の膝に価値があるんじゃなくて、膝枕に価値があるってことなのか……。

 一方のビス子は意外にも腕を組み、真剣な眼差しで球磨と川内の方を見ていた。やっぱり暁ちゃんと同じ一人前のれでぃーだとしても、そこは分別ある戦艦。球磨との戦闘で自分の課題も見え、あとは球磨と川内の戦いから何か得ようとしているようだ。

 ビス子が何かぶつぶつ言っている。耳をそばだて、ビス子のセリフを聞いていた。

「さすがクマね……まさか球磨型軽巡洋艦の艦娘をこんな形で建造するつもりだったとは……男を艦娘にしようというその発想……恐れ入るわ……さすがヘンタイ国家ヤーパンの艦娘とでもいうべきかしら……」

 お前、根本的に間違ってるぞ……。

 一方で
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