暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第百話
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 金色と黒色のミノタウロスをキリトの活躍で打倒した俺たちは、ユイのナビゲーションによってダンジョンを踏破していた。ダンジョンマップをハッキングして得て、ゴールへの最短距離で俺たちを導いていた。いつもならば自重するような反則的な手段だったが、何せよ今は時間も何もない。

「リーファ、メダリオンはどうなってる?」

「黒くなってる……もう一時間もないくらい」

 キリトの問いかけに対し、リーファがその手に握ったペンダントのような物を見つめた。真っ黒に染まっていくソレは、女神から託されたメダリオンというアイテムであり、真っ黒に染まった時がこのクエストの終わりの時――つまり、ALOが崩壊する時だ。

 そのメダリオンが漆黒に染まっているということは、もはや崩壊の時は近いということであり。それもあって俺たちは、地下へと続いていくダンジョンを駆け下りていた。第一層にいたサイクロプスは、自分たち以外のメンバーの場所に向かったようで、本来いるべき場所にはいなかった。第二層は先程の黒色と金色のミノタウロスは、先述の通りにキリトの活躍で突破した。

 そして第三層は。

「だっあ!」

 支援魔法を受けた俺たちが第三層に突入して最初に聞いた声は、そんな野太い男の声だった。

「うぇ……」

 そしてそこにいたボスの外見に、隣にいたリズが嫌そうなうめき声を出した。十本足のムカデとも言うべきそのボスモンスターに、多数のプレイヤーが群がっていた。

「みんな!」

 ダンジョンに入る前に分断されてしまった、シリカの飛竜に乗っていたメンバー。クライン、シリカにルクス、シノン。タルケンとユウキを除いた、スリーピング・ナイツのメンバー。十本足による攻撃を、前衛のメンバーが抑えていた。

「ショウキ!」

「ああ……!」

 しかしその前衛の数は足りず、キリトとともに無理やり十本足ムカデへと割り込んだ。テッチを襲わんとする足に、日本刀《銀ノ月》で割り込んだ。切り裂くほどの一撃を加えたつもりだったが、堅い甲殻に阻まれて切断までには至らない。

「ショウキさん……いやあ、ありがとうございます」

「余裕そうだけども……一度下がってくれ」

 それでも呑気そうなテッチだったが、その足の一撃は予想以上に重く。完璧に受け流したつもりだったが、それでも削りダメージでかなりHPゲージが減らされた。こちらとは違って元からタンク役とはいえ、その一撃を受け続けていたテッチの消耗は凄まじく、お礼とともに後退していく。

「……っ!」

 レコンの闇魔法による絨毯爆撃が炸裂し、元よりかなり削られていた十本足ムカデのHPがまたもや削れるが、その分だけ足による攻撃が激化する。黒と金のミノタウロスが、いずれかの耐性に特化したというのならば、この十
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