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おぢばにおかえり
第二十四話 出会いその八
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「天理高校ってね」
「上下関係厳しいんですよね」
「知ってたの」
「天理教の人に言われました」
 ふと思わぬ言葉が出て来ました。
「ここに入る前に」
「あれっ、天理教の人って」
「実は僕ここに入るまで宗教と縁がなかったんですよ」
「そうなの」
「ええ、実は」
 今わかった衝撃の事実というやつでしょうか。どうもこの阿波野君自宅生の高校から普通に受験で入った子みたいです。こうした子もこの高校には多いです。
「そうなんですよ」
「ふうん、そういえばそうね」
 その阿波野君を見上げて彼に言います。
「そんな感じね」
「ドラマの主役みたいな感じですよね」
「何でそうなるのよ」
 また変なことを言ってきました。
「ドラマの主役って。精々脇役よ」
「僕脇役なんですか」
「特撮でいえば仮面ライダーの協力者」
 何処となくコミカルな役のことを言いました。
「そんなところね」
「何か変な役ですね、それって」
「だって。ライダーは特別な役よ」
 これにはかなりこだわりがあります。
「ライダーやるからにはね。凄く格好よくないと」
「こだわっていますね」
「戦隊ものだったらいけるかも」
 何故か戦隊の話にもなります。
「緑とか黄色ね」
「三枚目ですか?やっぱり」
「少なくともその傍若無人なのなおしなさいよ」
 顔を顰めさせて言います。
「凄く腹立つし」
「腹立ちます?」
「少なくとも頭にはきてるわ」
 むすっとした顔で言いました。
「今だって。全く」
「あっ、それで先輩」
「話変えないの」
「その一年G組の教室何処ですか?」
「あっ」
 言われて気付きました。というか思い出しました。この子を教室に案内しないといけません。それを思い出して自分のうっかりさに少しはらだちを覚えました。
「そうだったわね。教室は」
「それで何処ですか?」
「ええと、確か」
 一年間通っていた教室です。忘れる筈もありません。周りを見回していると早速。というかすぐ横にそのG組の教室がありました。
「ここよ」
「何だ、目の前ですか」
「ええ、ここよ」
 その教室の札を指差して教えます。
「この教室だから」
「ふうん。他の教室と同じですね」
「変わる筈ないじゃない」
 この子はまた何を言っているんだろうって思いました。こうしてはじめて会った今だけでも何度も思っています。これはかなり手間のかかる子です。
「学校の教室なんてね。それこそ」
「変わらないって?」
「変わったらかえって怖いわよ」
 また阿波野君に言います。
「教室ごとに変わっていたりしたら」
「個性的でいいんじゃないですか?」
「個性は生徒が出すものよ」
 また言い返します。
「違うかしら」
「個性は生徒がですか」
「そういう
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