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ドリトル先生北海道に行く
第三幕その六
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「謙虚に学んで穏やかで上品な人じゃないね」
「というか日本人にもね」
 ホワイティは残念なお顔になっています。
「そんな困った人いるんだね」
「イギリスにも他の国にもいるけれど」
 チーチーもホワイティと同じお顔です。
「日本にもなんだね」
「というかお店で怒鳴り散らすとか」
「酔っぱらい?」
 チープサイドの夫婦はこう思うのでした。
「それかヤクザ屋さん?」
「どっちにしてもまともな人じゃないわよ」
「そんな風にはなりたくないね」
 ダブダブは完全にそうした人を反面教師としています。
「先生みたいな人がいいよ」
「いや、間違った知識を世に広めたら」
「その責任は大きいよ」
 オシツオサレツはそのことも問題にしています。
「農家の人も困るし」
「読者の人も変な風に思うしね」
「料理漫画も色々だね」
 老馬は目を閉じて瞑目する様になっています。
「そんなおかしな漫画もあるんだね」
「うん、僕も読んで驚いたよ」
 また言った先生でした。
「知識があまりにも間違っていてね」
「何かその漫画ネットでかなり批判されてますね」
「批判されない筈がないよ」
 先生はトミーにこう答えました。
「あれだけ間違いがあると」
「それを広めていると」
「実害が酷いからね」
「何処でもこうした話はありますね」
「残念なことにね」
 日本でもです。
「あるね」
「そうですね」
「まあそうした人はやがて誰からも相手にされなくなるよ」 
 間違ったことばかり吹聴して下品な人はです。
「本当にね」
「そうした人こそが下品な野蛮人」
「よくない人だね」
「野蛮は悪くないけれど」
「下品なのがよくないんだね」
「そうだよ、文明人でもね」
 先生はまた動物の皆にお話しました。
「悪い人はいるね」
「うん、下品な文明人」
「そうした人もいるね」
「品性がないと駄目」
「そういうことだね」
「フック船長はどうだったかな」
 先生はあのとても有名な作品の名前を出しました。
「あの人は」
「あっ、悪い大海賊だったけれどね」
「言葉遣いは丁寧でね」
「礼儀は守ってたね、あの人も」
「決して下品じゃなかったよ」
「だからあの船長は悪い人でもね」
 それでもというのです。
「皆から嫌われていないんだよ」
「とてもおっかないけれどね」
「何処か魅力があって」
「あの作品の名悪役ね」
「いい海賊だよ」
「僕も彼は嫌いじゃないよ」
 先生もというのです。
「あの船長さんはね」
「けれどそうした人は」
「駄目なんだね」
「そうなってもいけない」
「そうだね」
「そうだよ、文明は光と陰を理解する」
 その両方をというのです。
「それが大事なんだ」
「そのうえで考えて」

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