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ドリトル先生北海道に行く
第三幕その三
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「その黒猫に死を見てね」
「それでその死を振り払おうとして」
「それでなんだ」
「黒猫を斬ろうとしたけれど」
「もうその力も残っていなかったんだ」
「それで斬れなくなってしまったことを嘆きながらね」 
 結核により死にゆく中で、です。
「死んでいったんだ」
「そうだったんだね」
「そうらしいね、新選組は斬って斬られて」
 またこう言った先生でした。
「その果てに死んでいったんだ」
「新選組の人達はだね」
「そして土方さんも」
「そうだったんだよ」
 また動物の皆に言うのでした。
「ここでね」
「そう思うとね」
「ここにいると複雑な気持ちになるね」
「土方さんが死んだ場所でもあるって思うと」
「本当にね」
「そうだね、この五稜郭は奇麗だけれど」
 それと共にというのです。
「そうした場所でもあるんだ」
「ううん、じゃあ」
「その土方さんのことも思いながらだね」
「この五稜郭を見るんだね」
「これからも」
「そうなるね」
 こう言ってでした、先生は皆と一緒に五稜郭を回りました。そしてその後は函館の街に戻ってです。そのうえで。
 駅の近くのあるお店に入りました、そのうえで。
 皆で食べました、そのメニューは。
 鮭の身とイクラ、それに雲丹が上にたっぷりと乗せられた丼でした、それに。
 ホッケの塩焼き、烏賊の姿焼きです。それをトミーと一緒に頼んで。動物の皆にも注文しました。そのうえで。
 皆で食べはじめました、そこで。
 ふとです、こう言ったのでした。
「確かにね」
「うん、美味しそうだね」
「そうだよね」
「僕達の食事もね」
「美味しそうだね」
「じゃあ皆で食べよう」 
 是非にとです、お話してでした。
 そしてです、実際に食べはじめました。すると皆一斉に言いました。
「いや、これはね」
「かなりですね」
 実際に美味しいとです、トミーも言います。
「こんなに美味しいなんて」
「素材が違うね」
「そうですよね」
「ホッケは神戸でも売ってますけれど」
 そしてトミーもよく買って先生と一緒に食べています。
「それでも」
「神戸まで行くまでに冷凍しないといけないね」
「その分があってですね」
「神戸で食べるホッケは北海道程美味しくないんだよ」
 そうだというのです。
「多分ね」
「だからですか」
「けれど冷凍技術は素晴らしいから」
 この技術についてはです、先生はお話しました。
「神戸でも食べられるよ」
「そうなんですね」
「そう、だから否定するとね」
 そしてというのです。
「ホッケも食べられないよ」
「そうなりますね」
「うん、それを否定したら駄目だよ」
「何かそうした料理漫画とかありますね」
「それを否定したらね」
「食べられ
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