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未来から過去へ
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 少女たちの頑張りにより、海までの道はほんの数日で開通した。

 それまで、一生懸命山を歩いていたのが嘘のように、一刀でも疲れずに行くことが出来るようになった。

 それにともない、体力に自信のない少女たちでも海に行くことが出来るようになっている。

 季節はまだ春なため、完全に海へ入ることはなかったが、膝下までは入ったり、触れてみたりと様々なことをして初めての海を満喫していた。

 一刀は、この日のために準備していた物をせっせと組み立てに入る。

 準備していたものとは、バーベキューの道具だった。

 現代の物とまでは到底及ばないが、みんなで運んだ簡易な椅子や机を並べ、近くの石をかき集める。

 そして、中央で火を起こすとその上に鉄板を乗せ、その上に準備していた野菜や肉を撒き散らし、炒めた後に塩を振って皿に盛り付けていった。

 匂いに釣られたのだろう少女たちが、興味津々に一刀の元へ集まってくる。

「お父さん。これはなにをしているの?」

「これは野菜炒めを作ってるんだ。良ければ桜香は皿を運ぶのを手伝ってくれないか?」

「手伝うよー」

 桜香は元気に答えると、一刀から野菜炒めが盛り付けられた皿を受け取り、砂浜の上を危ない足取りで歩いていく。

 案の定と言うべきか、砂浜に足を取られ皿を放り出し、桜香は転けてしまった。

 その皿は宙を舞い、放物線の頂上に来たところで、回収される。

「桜香、大丈夫?」

「私は大丈夫だよ〜。ありがとう愛羅ちゃん」

 愛羅は片手に皿を持ったまま、器用に桜香の手を取り立たせると、面倒見よく服についた砂を払っていく。

「私が後は運ぶから、桜香は座って待ってて」

「うん。待ってるね〜」

 桜香は大人しく椅子に座る。

 その後は、他の娘も混じって準備を進め、砂浜での昼食を取った。
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