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ドリトル先生北海道に行く
第一幕その八

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「神様が先生に運を授けてくれているんだ」
「ううん、そうなんだ」
「先生が凄くいい人だから」
「神様も先生に運を下さっているんだ」
「そうなのね」
「先生みたいないい人はいないから」
 それこそこの世の中にというのです。
「神様もなんだ」
「先生に滅多にないだけの運をなんだ」
「下さってるんだ」
「それで助けてくれてる」
「そうなんだ」
「そうだと思うよ」
 トミーは皆に穏やかな声でお話します。
「いい人には運がもたらされるんだ」
「神様によって」
「そうなるんだね」
「そう、ただね」
 ここで微妙な表情も見せるトミーでした。
「それが今生きているうちにもたらされるかはわからないし」
「今すぐにということも」
「わからない」
「そうなんだね」
「僕達の生きている時間はね」
 それこそというのです。
「神様からl比べたらほんの一瞬だよ」
「神様は永遠だからね」
「ずっと生きておられるから」
「その神様から見たら」
「僕達の時間なんて」
「ほんの一瞬だよ、これはキリスト教の考えじゃないけれど」
 こう前置きもするトミーでした。
「僕達は何度も生まれ変わる、その中でね」
「仁徳も?」
「それもなのね」
「そう、それが積み重なっていっているみたいだから」
 だからというのです。
「先生は凄く運がいいんだよ」
「そうなんだね」
「道理で凄く運がいいと思ったら」
「前の人生がなんだ」
「積み重なってるんだね」
「前の前の人生」
「これまでの色々な人生が」
 動物の皆も言います。
「その全てで徳を積んできたから」
「今もそうだけれど」
「先生は運がいいんだ」
「凄い徳の積み重ねだからだね」
「そうだと思うよ、多分先生はね」
 それこそとです、トミーはまた言います。
「これまでの人生、動物や植物だった時も多かったと思うけれど」
「その全ての生の中で」
「凄く徳を積んできた」
「いい人だったから」
「その分の徳があって」
「運がいいんだね」
「だと思うよ、先生がいい人なのは今だけじゃないんだ」
 輪廻転生を迎えるその中でというのです。
「ずっとなんだよ」
「ううん、そう思うとね」
「先生はやっぱり凄いよ」
「どんな中でも優しくて公平で」
「皆に親切なんだね」
「そうした人だからだよ」
 トミーはさらに言います。
「僕はそう思うよ」
「ううん、そうなのかな」
 首を傾げさせて言う先生でした。
「僕はそんなに徳が積み重なってるのかな」
「そうだと思いますよ」
「だとすればこんなに有り難いことはないね」
 先生はトミーのお話を聞いて感謝しました。
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