暁 〜小説投稿サイト〜
接客騒動
2部分:第二章
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

第二章

 それでだ。その炭を見て言うのだった。
「炭焼きか。これで焼くと美味いんだよな」
「ああ、肉なんか特にな」
「じゃあこれで焼いてな」
「たらふく食うか」
「言うまでもないがここにある肉は食っていいからな」 
 曹長の方もわかっていてだ。彼等にこう話す。
「思う存分な」
「有り難うございます、それでは」
「今から焼かせてもらいます」
「民間のお客様の為にもどんどん焼いてくれ」
 二番目に言うのだった。メインのことを。
「わかったな」
「じゃあどんどん焼きますんで」
「炭も入れておきますね」
「調味料に塩と胡椒も忘れるなよ」
 曹長はこのことを言うことも忘れない。
「いいな、絶対にな」
「わかってます。醤油はこっちですね」
「ソースや焼き肉のたれもありますね」
「お客様のものはもう部屋に置いてあるからな」
 見ればテーブルの上に全部揃っている。そうした用意はちゃんとしている。 
 皿と箸もあった。皿は銀の厚いアルミのものが大小それぞれかなりの数があった。箸は割り箸がだ。束になって用意されていた。
 そうした整った状況の中でだ。彼等は調理にかかるのだった。
 炭を下に置いた網の上に肉や野菜をどんどん置く。塩と胡椒をかけそしてひっくり返したりしながらだ。彼等はその肉や野菜を次々に手にしている皿に入れていく。
 そしてだ。その肉をおもむろに食うのだった。
 それぞれの皿にはもうソースやたれ、醤油がある。それにつけてだ。
 食うそれは美味くだ。彼等は満面の笑みで言うのだった。
「美味いな、本当に」
「全くだぜ。やっぱり肉だぜ」
「肉たらふく食わないと動けないからな」
「命の保養だぜ」
 こう言いながら食う。その肉の焼き方はというと。
 半分生焼けだったり焼き過ぎて焦げていたりしている。かなり雑だ。だがその肉達を彼等は実に美味そうに食うのである。
 曹長もだ。監督をしながら彼等が差し出す肉を食う。そして言うことは。
「お客様にも焼いているな」
「はい、しっかりと焼いてます」
「安心して下さい」
「とにかくどんどん焼いてくれ」
 大事なのは量だというのだ。
「いいな、お客様にもたらふく食ってもらうからな」
「わかってますよ。焼いてますから」
「ほら、もうこんなに」
 見ればだ。もうだった。
 銀の大きな皿にだ。肉がうず高く積まれている。それを見てだ。
 曹長も満足した顔になりだ。こう言うのだった。
「いい感じだな。それでいい」
「はい、じゃあこれ出してですね」
「そうしていいですね」
「まずはそれだけだ。しかしな」
 それでもだと。曹長は今度はビールの缶を空けながら話す。
「それだけで終わりじゃないからな」
「あればあるだけですよね」
「とにかく」

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ