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Rの証明
第一話  彼の友達
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 立ち並ぶビルの高さは土地の発展を表し、行き交う人々の服装は裕福さとセンスに溢れ、仕事にとスーツ姿で走り回る男達は今日も今日とて生活の為に。
 ヤマブキシティ。それがこの、カントーで一番発展している街の名であった。
 現在建設中のビル、“シルフカンパニー”は技術の粋を集められた高層ビルになる予定。技術者達の、技術者による、技術者の為のビル……そんな謳い文句があるとか無いとか。
 このように何処か他の街とは一線を画すヤマブキシティで一人、とてとてと歩く子供が居た。年齢は……五歳くらいであろうか。
 赤いジャケットを羽織り、ジーパンを履きこなし、これまた赤い帽子を被る姿は、中々どうして、幼いながらも様になっていた。
 ただ、彼の首さえ見なければ、であるが。
 さわさわと風に靡くカフェモカの毛並みは、良く手入れがされているのか艶やかで美しい。普段ならばピンと張っているはずの耳も、少年と共に居る安心からか愛らしく垂れ下がっている。子供のようで、まだ身体の大きさは小さい。
 すやすやと眠るそのポケモンの名前は……イーブイ。様々な進化の可能性を秘めている非常に珍しいポケモンである。
 優しく毛並みを撫でながら、その少年――レッドは街を進む。目指す場所はたった一つ。この街に来てからは毎日、“色々な勉強”の前にその場所で遊んでいた。
 黒服のガードマン二人が門の前に立つ大きな洋館。
 その少年を目に居れた二人は、仕事中の厳めしい顔さえ崩して柔和に微笑んだ。

「やぁ、レッドくん。いつもご苦労様だね」
「ははっ、今日はイーブイを肩に乗せているのか。本当に仲がいい。お嬢様がヤキモチを妬くのも分かる」

 二人はサングラスを外し、しっかりと目を合わせた。彼らの雇い主の言いつけである。レッドと話す時は目を合わせて話せ、というなんともわけの分からないモノであったが、雇われの身ならば主人の言いつけは絶対。
 ただ、直ぐに意味が分かった。何故なら……

「こんにちは、ガードマンのお兄さん。今日もご苦労さま」

 彼に太陽のような笑みを向けて貰うには、自分達の心を覗かせないとダメだからだ。
 レッドは頭の回転が速く、それでいて尚、純粋に過ぎた。
 彼らの主も相応に特殊ではあったから受け入れられたが、他の者ならば眉を顰めたであろう。
 レッドの純粋無垢な眼は他者の心をある程度見抜く。感情の動きを察知し、敵対心持つモノを貫き、狼狽えさせる。言うなれば、ポケモンのような少年であった。
 彼らでさえ最近やっと、主の言いつけで共に遊んだからこそ、こうして普通に接せられるようになった。
 一度打ち解けてしまえば早い。レッドにとっては、彼らはポケモンと同じく友達なのだ。

「今日は庭で待っておいでだよ。行っておいで」

 一人がポンポンと頭を
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