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携帯メール
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第二章

「誰が何で送ったのか」
「友達の誰か?」
「美菜子ちゃんのお友達の誰か?」
「私達以外の」
 周りはまずこう考えた。
「悪戯でそうしたとか?」
「それじゃないかしら」
「こんなことする娘いないし」
 ところがだった。美奈子はここでこう言う。心当たりがないのだ。
「まして差出人不明よ。友達なら皆ちゃんとメールに名前で入れてるから」
 言いながら周りにまたメールを見せる。するとだ、 
 そこには確かにだ。そこにいる全員のものも含めて彼女の友達の名前が全部あった。かなり多い。
 それを見てだ。周りも言った。
「確かにね。不明って娘はいないわね」
「あれっ、けれどこれ誰?」
「あっ、そういえば何か」
「知らない名前があるけれど」
 しかしだった。周囲はここで気付いたのだった。
「ええと、晃って?」
「誰、これ」
「名前みたいだけれど」
「誰なのよ、この人」
「あっ、ちょっとそれは」
 美菜子もここで気付いた。しまった、とした顔になってだ。そのうえで言うのであった。
「何ていうかね」
「何てっていうと?」
「まさかと思うけれど彼氏とか?」
「その人?」
「ひょっとして」
「あ、ええと」
 顔を赤くさせて言う美菜子だった。それはまさにであった。
 誰がどう見てもだ。それはわかるものだった。周りも察した顔で言った。
「いたんだ、そういう相手」
「美菜子ちゃんも隅に置けないわね」
「全く」
 くすくすとした感じの笑顔で言いながらだ。彼女を見ての言葉だった。
「晃っていったら」
「ああ、三組のね」
「空手部の彼へ」
「あの子と付き合ってたの」
「もうその話はなしっ」
 ムキになって強引に話を打ち切る美菜子だった。
「ノーコメントだから」
「はいはい、それじゃあね」
「聞かないってことで。彼氏の話はね」
「それじゃあね」
 周りも彼女のその言葉に合わせる。とにかくその話はしないことになった。
 しかし謎は残っていた。メールの差出人だ。
 友人の一人がだ。こう言うのであった。
「家族の人とか?」
「家族?」
「誰か送ったとかじゃないの?」
「家族って」
 美菜子は眉を顰めさせて首を傾げさせた。そうしてだ。
 そのうえでだ。周りにこう言うのだった。
「こんな変なメール送る家族っているかしら」
「そう言われたらねえ」
「まあ。ちょっとね」
「いないけれどね」
「そもそも家族で秘密って」
「あるにはあっても」
 それでもだとだ。周りも話す。
「こんな怪しいメールで言うなんてね」
「変なドラマとか漫画でもない限りね」
「ないわよね」
「普通は有り得ないわね」
 常識から考えてそうだった。誰もがそれはないとした。 

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