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携帯メール
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第一章

                       携帯メール
 突然だ。携帯が鳴った。
「何かしら」
 それを受けてだ。南崎美菜子はすぐに自分の携帯を制服のスカートのポケットから取り出した。長い黒髪を奇麗に整えた澄ました感じの女の子だ。まだ高校生だがかなり大人びた感じだ。顔立ちも落ち着いたものでまだ高校生だが赴きはそれよりも上に感じる。制服よりもエプロンが似合いそうな外見である。
 その彼女が携帯を手に取ってだ。それを見るとだ。
「メール?」
「誰から?」
「誰からなの?」
「あれっ?」
 周囲の声を聞きながらだ。彼女は怪訝な声をあげた。
 そしてだ。メールの送信相手を見てだ。こう言うのであった。
「不明になってるわ」
「不明?」
「差出人不明ってやつ?」
「そうなのよ。迷惑メールかな」
 こう周りにいる友人達に述べる。丁度休み時間にだ。クラスの端に立って集まってそのうえでお喋りに興じていたのだ。お喋りのテーマはとりとめのない。芸能人やそうしたものであった。
「それかしら」
「ワンギリとか?」
 友達の一人が古い話題を出した。
「それかしら」
「ううんと、それなら」
「それなら?」
「それならっていうと?」
「すぐに消去しようかしら」
 こう友人達に述べた。
「そんなの見ても仕方ないし」
「差出人不明だしね」
「それならそうする?」
「見ないで」
「待って。けれど」
 それでもだとだ。美菜子はここで言った。
「一応見てみようかしら」
「ワンギリでもいいの?」
「それでも」
「それはそれで警察に通報するし」
 ワンギリが犯罪だとだ。認識しての言葉である。
「まあそれでね。今はね」
「メール、見るのね」
「そうするのね」
「そうするわ。まあとにかく」
 とにかくだと言ってだ。そしてであった。
 メールを見てみる。するとであった。そこにはこう書いてあった。
「御前の秘密を知っている?」
「メールに書いてあるの?そう」
「それがメール?」
「そうなの」
「うん、何かしらこれって」
 美菜子はそのメールを周りに見せる。周りもそれを見る。
 見ればだ。確かにそこにはそう書いてあった。随分なメールであった。
 それでだ。周りもだ。それを見ていぶかしんでだ。こう言うのだった。
「悪戯?」
「脅し?」
「何、これ」
「意味わからないけれど」
「何なのかしら、一体」
「わからないわよね」
 美菜子本人もだ。こう言うのであった。
「こんなのって」
「理解不能ね」
「確かに意味わからないわ」
「ましてや差出人不明だし」
「それ考えたら怖くない?」
「それもかなり」
「そうよね。とにかく誰なのよ」
 美菜子はまだそのメールを見ている。見ながらだ。
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