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俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
8.リリリーリ・リーリリ
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小人族の神は死んだのです!ならば、我々の救いとは……!』

 面倒くさいので三号へ。ジョウロを持ったリリセーセキはそっぽを向いて口を尖らせている。

『大体なんなんですかあのアズとかいうのは!赤の他人がリリの今までの努力を無視して気まぐれで助けてもらう!?ジョーダンじゃねえですよ〜!なーんでリリが他人に助けてもらわなきゃならねーんです!?そんなのリリのプライドがゆるせねーですぅ!!』
『成程、反対だということで……』
『大体、あいつはヘラヘラしてて死神でポッと出で!信用ならねーですぅ!!』

 愚痴が止まらなくなりそうなのでどんどん次へ。芝居がかってる四号リリデレラの出番だ。

『産まれながらひどい仕打ちを受けてきた可哀想なリリ……しかし!それに耐えてきたリリは、とうとう王子様によって救われるのです!これだけ灰を被ったのですから、そろそろ救われてもいいのではないでしょうか!!』
『それはどっちかというと願望ですが……賛成と取ってよろしいですね?』
『綺麗なドレス着て、お城で社交ダンスなんていいかも!キャー!!』

 あの脳味噌ピンクが自分の一部だと思いたくないので次。悪い顔で微笑むリリカワが弁舌をふるう。

『考えても見てください。今までだってリリは愛想を振りまき、己の本心を隠して目的を遂行してきたではありませんか。利用できるものは利用し、いらなくなったら切り捨てればいいだけの事です。今更リリに守るプライドなどありますか?』
『賛成、ということですね』
『ククク………素直に安易で可能性の高い方法を使えばいいのです。効率とはそういうモノですよ』

 なんとなくだが馬鹿にされている気分になるので次、なんか態度が気に入らないリリスト。

『皆の意見なんて知らないですよ。リリはこの心の底に渦巻く「自分が救われていいのか?」とか、「そんなに都合のいい世界を認めて良いのか?」などのリリ的世界観とアズさんの存在が一致しないんです。そう、アズさんが悪いんですよきっと』
『思いっきり責任転嫁に聞こえなくもないですが反対ってことですね?』
『そーですよ!さっさとアイツと縁を切って悩みから解放されましょう!』

 なんか釈然としない理論のまま、最後。リリ以上に幼く見えるリリエンタールに。

『アズがパパだったらリリは甘え放題でしょ?ならアズがパパでいいじゃん!優しくて強くてお金持ち!理想のパパだよ!本物よりもパパらしいじゃん!……そんなパパの背中におぶさって、揺られながら家に帰る……今まであんなに苦しんだんだから、それくらいいいでしょ?』
『うう、パパパパ連呼しないで欲しいんですが、賛成ってことですね』
『甘える人がいたっていいじゃない。血縁なくたっていいじゃない。甘えさせてよぉ……』

 会議結果、賛成4、反対3と
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