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歌集「春雪花」
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 冬の夜の

  夢ぞ凍えし

    恋ならば

 春の日差しの

   望みしものかな



 寒々とした冬の夜…闇に閉ざされたように星影もなく、未来を夢見ても虚しく思えて…。

 そんな私の恋は叶いようもなく、それでも恋しい想いを忘れ去ることも儘ならない。

 心には冬の寒風が吹き荒ぶようで…春に降り注ぐ日差しを望まずにはいられない…。

 そう…彼と共に在りたいと…。



 先の見えぬ

  道筋照らす

    光なくば

 何ぞ虚しき

     淡雪の君



 行く先さえ全く分からない人生…暗闇をただ一人、手探りで歩みゆくだけの日々…。

 そんな人生に希望が見出だせない今、何もかもが虚しくなってゆく…。

 どれだけ想いを募らせ、恋い焦がれようと…彼とは共に生きることは出来ないのだ。
 彼が私を受け入れてくれる筈もないのだ…。

 そこに純然と降りゆく淡い白雪…然れど春には溶けて消え去るように、彼もまた…私の人生からいなくなるに違いない…。


 いや…彼の人生から私が消え去るのだろう…。




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