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ショーウィンドー
第一章
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                 ショーウィンドー
 スウェーデンは北にある国だ、その為寒いがこのことは誰でも知っている。
 だがそれでも夏はあり幾分か暖かい、それでだった。
 ストックホルムの市民達も今は快適な時間を過ごしている、芸術的な整いを見せている街も今は雪がなくてだ。
 闊達な空気の中にある、それは本来はこのアンネリ=エークストレムもそうである筈だった。だが今の彼女は。
 浮かない顔をしていた、それでだった。
 その彼女にだ、友人達はキャンバスの中で尋ねた。
「どうしたの、最近」
「あまり晴れない顔だけれど」
「何かあったの?」
「何かあるからよ」
 ブロンドの長い腰まである髪に青い瞳に長い睫毛にだ。白い細面で高い鼻というまさに北欧系の顔だ。背は高く黄色いブラウスと黒のズボンがよく似合っている。
 その彼女は友人達にだ、こう答えた。
「こうした顔になっているのよ」
「そうよね、やっぱり」
「だからそんな顔なのよね」
「暗いっていうかね」
「浮かない?」
「そんな顔になってるのね」
「悩んでるのよ」 
 自分からだ、アンネリは友人達に言った。まだ講義ははじまっておらず彼女達がいる大きな講堂の中は周りも雑談中だ。
「それも恋愛のことでね」
「よくある話だけれどね」
「今のあんたもそうなのね」
「所謂恋の病」
「その中にあるのね」
「正直に言ってね」
 また言ったアンネリだった。
「どうしたものかって悩んでるのよ」
「というか相手は?」
「まずその好きになった相手のことを聞きたいけれど」
「そのことがわからないとね」
「私達もどうこう言えないから」
「そうよね、じゃあ言うわね」
 アンネリもだ、友人達の言葉に頷いてだった。
 そしてだ、その相手のことを話したのだった。
「銀行員よ、商店街の近くにあるね」
「ああ、あそこね」
「あそこの銀行ね」
「あそこに勤めてる人なのね」
「きりっとした背の高いスーツが似合う人で」
 その外見のこともだ、アンネリは友人達に話した。
「礼儀正しい人なのよ」
「所謂紳士ね」
「そうした人なのね」
「そう、凄く清潔な感じもするし」
 それにともだ、アンネリは話した。
「大人で。年齢は二十五位ね」
「で、その人を好きになって」
「告白したい」
「そう思ってるのね」
「そうなの」
 実際にと言うのだった。
「これがね」
「それで告白して」
「そうして付き合いたい」
「このコースでいきたいのよね」
「つまりは」
「そう考えてるわ」
 実際にとだ、アンネリは友人達に答えた。
 だがここでだ、アンネリはその友人達に悩む顔でこうも言った。
「けれどよ」
「ええ、それでもよね」
「告白までどうするか」
「そして告白
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