疑問兵長と相談する私 14 リヴァイside
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扉の向こうから聞き慣れた声がした。
「リヴァイ兵長、エネです」
何だ、エネか……
「入れ」
ガチャ、とエネが部屋に入ってくる。
……ハルカがいねぇな。
「ハルカはどうした?」
「少し部屋で休みたい、と言って部屋で休んでます」
そうか……
あいつは俺が何か言えば必ず遠慮しやがるからウゼェが……
今はエネしかいないから何かと言いやすい。
それに__……
「エネ、このまま暫くは、あいつと一緒にいろ。俺も時間があればお前らと一緒にいてやる」
「分かりました。兵長、ありがとうございます」
こうやって、遠慮も文句も言わねぇ。
何も言わず了承してくれるから……心の中に温かみを感じる。
……悪くない。
お前といると何でか知らねぇが、心が穏やかになるな……
「では、私はハルカの様子見てきます!」
そう言ってエネは、まだ心配ですので、と付け加えて俺の部屋から出ていった。徐々にエネの足音が遠くなっていく。
「…………当分ここには来ないな」
俺は再び一人で考え始めた。
エネの相談から1ヶ月経ったが、何も起きてねぇ。
「何故いじめが急に止まったんだ?」
1ヶ月、何もない事は今までなかったと聞く。止まる理由が分からねぇ。
それに……
「いじめてる奴は、一体誰だ?」
分からねぇ事ばかりだ。疑問だけが残りやがった。
だが__……
「このまま終わる訳ねぇはずだ…… 」
勝手に俺はそう解釈した。
それでも……何も起こらない事を願おう。
俺は机上のカップを手に取り、中身を飲み干した。
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