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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百八十四話 再来
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を横に振った。
「残念だがこの件に憲兵隊は絡んでいない」
思わずキスリングとボイムラーの顔を見た。二人とも苦い表情をしている。どうやら嘘じゃないらしい。如何いう事だ? 疑問に思ったがトリューニヒトが驚いた表情をしているのが面白かった。トリューニヒト君、ヴァレリーを見習え。彼女は顔色一つ変えずにコーヒーを飲んでいるぞ。

「憲兵隊じゃない、では地球教かな、或いはフェザーン人? 裏切られた事への怒りでルビンスキーを殺したか」
「犯人はルビンスキーをかなり執拗に痛めつけてから殺しています。現場は酷いものでした、惨状と言って良いでしょう」
ボイムラーが俺の推理を認めた。顔を顰めている、かなり酷かったのだろう。吐いたのかもしれない。

それにしても隠れているルビンスキーを探し出して殺したか。あの隠れ家を探し出す事が素人の集団に可能かな? まず無理だろう、となると地球教か。恨み骨髄、必死に探したんだろう。そしてルビンスキーを殺す時は嬉しさの余りつい遣り過ぎてしまったというわけだ。……予想外の結末だが悪くない。帝国が手を汚さずに済んだ事を考えれば万々歳だ。俺は生まれて初めて地球教に感謝した。世の中は面白いね、不思議で満ち溢れている。









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