共闘
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ウェンディside
「カミューニ・・・さん?」
私は聞き覚えのある声が聞こえ、目を開くと驚いてしまいました。そこにはジェラールやウルティアさんたちと同じ独立ギルド『魔女の罪』の一員であるカミューニさんがいたからです。
「ったく・・・ギリギリだったが、間に合ってよかったぜ」
私を片腕だけで抱え、ジルコニスの魔法から助けてくれた彼はそう言うと、私を地面にゆっくりと下ろしてくれます。
「なんじゃ!?貴様は」
突然現れたカミューニさんを見て、ジルコニスは目を細めています。それに対し、カミューニさんは私の前に立つようにして答えます。
「俺の名はカミューニ。限りなく滅竜魔導士に近かった男だ」
その言葉を聞き、私はあることを思い出しました。それは、七年前の天狼島で、悪魔の心臓のマスター、ハデスと戦った時のことです。
シリルはそれまで、天空魔法と水の魔法を合わせて使ったことは、治癒の時以外ありませんでした。その理由は魔力の消耗が激しくなってしまうからです。
でも、あの時はなぜか、それをやることができていました。その要因は、誰かからもらったと言ってた滅竜魔法の魔水晶。それが誰からもらったのかは詳しく教えてもらえなかったけど、無限時計の時のカミューニさんの話や今の言葉を聞いて、ようやく私は理解することができました。
カミューニさんがあの魔水晶を持っていて、シリルにそれをあげたということなんでしょう。だから、カミューニさんは「滅竜魔導士に近かった男」なんて言い方をしたのだと思います。
「ほほぅ。貴様も滅竜魔導士か」
「フッ」
鼻で笑うように答えたカミューニさん。でも、今の彼は滅竜魔法が使えないはず・・・なのになんで、否定しないのかな?
私が一人そんな疑問を感じていると、カミューニさんがコソコソと私に耳打ちします。
「俺が滅竜魔導士じゃねぇのはバレてねぇ。つまり、奴は厄介な相手が増えたと考えるはずだぁ。だから、俺が注意を引き付ける間におめぇが攻撃を加えろ。いいな?」
「は・・・はい!!」
そっか。この場に滅竜魔導士が二人いれば、ジルコニスはより警戒しながら戦わなくちゃいけない。それに、カミューニさんの方が私より魔力が高いから、彼に意識の多くは向けられるはず。そうなると私が自由に動きやすくなって、攻めやすくなるっていう作戦なんだ。
「んじゃ、ちょっくら攻めてやるとすっか!!」
カミューニさんは気合いを入れるようにそう言うと、一気に加速してジルコニスに攻撃を繰り出そうとします。
「やらせん!!」
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