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歌集「春雪花」
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 降りしきし

   雪ぞ帷と

    なりぬれば

 想いぞ遠く

     声も届かじ



 冬空から止め処なく舞い落ちる白雪…そこへ風が吹き荒び、雪景色さえ霞ませて前が見えなくなる…。

 それは…まるで帷を降ろしたようで、何となく…私の想いなぞ遠い彼には届かないと言われているような気がした…。



 雪雲の

  淋しさ降らす

   夕暮れの

 儚き光りに

    君ぞ想いし



 雪雲に覆われた薄暗い冬の夕べ…。
 唯でさえ淋しさが込み上げる時間帯に、はらはらと雪は舞い散る…。

 そんな夕暮れの消え行く儚い日の光は、彼への想いを募らせるには充分すぎる程だ…。


 彼と…在りたい…。




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