2部分:第二章
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第二章
「柔道で百万か。御先祖様達って本当に凄いな」
「ああ、人間の強さじゃないだろ」
「聖域にいるのか何かの拳法の伝承者じゃないのか?」
「それか野菜人かな」
そうした存在ではないかと話される。そしてその嘉納治五郎はだ。
「凄く強かったんだな」
「見直したよ。っていうか絶対に人間じゃないな」
「あれだろ?身長は二メートルを優に超えていて」
嘉納治五郎は身長一メートル六十にも満たなかった。
「それで全身から黒いオーラを常に放っていてシルエットになっていて常人じゃとても真の姿を拝めなくて目は真っ赤に光ってる」
「一睨みで人を殺せる位だよな」
「小指一本で十人位殺したんだろうな」
「凄過ぎるよな」
こうしてだ。嘉納治五郎は完全に史上最凶最悪の魔闘家となったのである。彼は生前は柔道の創始者である以上に高潔かつ人の心を解する教育者であった。だがその彼がこうなってしまった。これは喜ぶべきであろうか。その人間とは思えなくなった戦前の柔道家達共々だ。彼等の国の人達の主張によってそうした存在になったことをここに記しておく。
最凶最悪の魔闘家 完
2011・4・25
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