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ガンダムビルドファイターズトライ 〜高みを目指す流星群〜
04 「ガンプラバトル部、始動」
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、全国大会ではおそらく通用しないでしょうね」
「ええ。あたしやヒョウドウもナグモ並みの腕があれば別でしょうけど……全国大会に行けば化け物じみたファイターがゴロゴロと居るわ」

 日本中の最も強いチームが集まるのだから当然だろう……個人的にはそれ以上に、化け物じみたという発言があったときにふたりの視線がこちらに向いたことが気になる。天才的といった表現ならともかく化け物というのは素直に喜べないのだが。そういう表現はMSに使われるべきだろう。

「勝ち抜いていくにはあたしやヒョウドウが化け物じみた連中に追いつくか、あたし達の戦い方を見つけることでしょうね」
「可能性として高いのは後者でしょうが……何にせよどちらも時間が掛かるのは間違いありません」
「そうね。そもそも部員が3人じゃ他校と試合でもない限りチーム戦は出来ないし、今はどこのショップも大会を開きそうにないし……」

 結果的に言えば、今俺達に出来ることはバトルをして個人の力量を磨くこと。自身のガンプラの性能を理解し、より自分に合った機体に改良することくらいだ。
 この1週間の間に顧問に他校と試合がしたいとはチラッと言いはしたが、うちの顧問はこの学校に来たばかり。しかも今年から教師になったばかりの新任さんだ。
 うちの学校は世間からは弱小校と思われているだろうし、顧問もガンダムやガンプラは知っていてもバトルは見るだけで実際にはやったことがない人だ。練習試合を組むのも一苦労するかもしれない。

「今はやれることをして待つしかないだろう」
「そうなるわね……そういえば、来週うちに転校生が来るらしいわよ。聞いた話では海外の子らしいわ」
「ふーん……」
「そうですか」
「あんた達……少しは興味持ちなさいよね。どんだけガンプラ馬鹿なのよ」

 ガンプラ馬鹿という言葉は、全国大会優勝を掲げる人間にとってはむしろ褒め言葉ではないだろうか。というか、言っている本人も俺やヒョウドウよりは他方面にも興味を持っているだろうがガンプラ馬鹿だろう。ガンプラ馬鹿にガンプラ馬鹿と言われても侮辱としては説得力がない。

「たかだか生徒数が増えるだけではありませんか。それに今どき留学生といった存在も珍しくありませんし、転校生が来るだけで騒ぐのもどうかと思います」
「あんたの考えを否定するつもりはないけど、少しは違うことにも目を向けるようにしないと灰色の青春を送ることになるわよ」
「ガンプラに打ち込んだ結果がそれならば本望です」
「あんた……恋愛とか興味ないわけ?」
「特に……まあ何にせよガンプラに理解のない人と付き合うつもりはありませんね」
「あっそ……ナグモは?」
「人に聞きたいならまずは自分から話せ」


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