暁 〜小説投稿サイト〜
シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
出会い
[2/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
事はしてなかった。



プレイヤーNo.XIV
クリア条件:
『PDAを5台以上所持する。自分自身のを含めても構わない。ただし 所持する際の元のPDA所持者に傷を与える等直接危害は加えてはならない。正当防衛は可』





「ふむ……、まぁ所詮は序盤。……このままじゃないだろうな」

 クリア条件を見ながら呟く。

 この条件は、難易度が遥かに高いものだ。
 PDAとは生命線と言って良い程このゲームでは最重要。それを多数所持すると言う事は、他のプレイヤーから 手に入れるしかない。後半になればなる程、重要性が判るから渡すなんて事、する筈も無い。故に、力ずくでという事になる可能性が考えられるだろう。
 ……が、それを難しくしているのが、直接危害は加えてはならないと言う一文。

 が、男はさして関係無いと言わんばかりに、歩を進めた。何であれ、自分にはすべき事がある。

 そして、参加人数がわからなくとも、すべき事。それは変わらないからだ。









 あたりを探索し視渡すこと一時間弱。
 夜もうっすらとだが、明るみを帯びていた。

 現在の時刻は≪4:43≫

 まだ、太陽が姿を見せるのには早い時間帯だが、どうやら、地平線の彼方から光は届く位置にまでは着ているようだ。

「……さて、と」

 男は脚を止め地面を軽く掘り始めた。そして、そこから麻袋に包まれた、何かが出てきた。

「……む」

 麻袋を開き中にはいっているモノを手に取る。
 出てきたのは普通、一般人ならばお目にかかることなど無いもの。

 黒光りし、大きさに比べて随分と重量感のある物体、それは 圧倒的な暴力の象徴だった。

「……ワルサーPPK。 随分年式が古い銃を配置したものだ」

 そう……拳銃が入っていたのだ

 それを手に取りながら呟く。
 それは1931年に発売開始されたドイツ製ワルサー社が開発した小型拳銃。自身の記憶では1980年代まで生産されていた……と記憶しているが。

「……まぁ 普通に販売はされているか。別に珍しい訳でもない」

 古いとは言え有名な銃だ。
 手に入れるのには問題ないし 銃からマガジンを引き抜き 弾薬を取り外してから軽くハンマーを上げ引き金に指を掛ける。それを引くと“かちんっ!”と言う小さな音だけが木霊する。……どうやら、手入れも問題なさそうだ。早期の弾詰まり(ジャム)の心配も無いだろう。

 そして 弾倉(マガジン)を再装填し、男は銃を懐に隠し……数歩歩き。



 ……そして、数歩先で脚を止めた。



「……さて。そろそろ、出てきたらどうだ?」

 振り返ると茂みに向かってそう言っていた。
 誰か
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ