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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第27話 「黒雨降る所以」
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ら標的を俺に変更する。あっちこっちに狙いを振り撒いて忙しい奴だな。ってかあの視線、自分に向けられてると思うと割とムカつくな。

「ふん、貴様らのような雑魚風情がいくら訓練したところで高が知れているだろう。」
「自分の訓練サボって他人様の訓練に茶々いれるようなどこぞのチビ不良軍人程度ならいつでも追い越せるだろうさ。」
「・・・何だと?」

今度こそキレたようでボーデヴィッヒが射撃体勢に入る。やらかした。だってさ、さっきの煽り合い、超楽しそうだったんだぜ?つい参加したくもなるだろ。とはいえ、自分で制止しておいて火に油を注ぐんじゃ世話がない。こうなった以上、もう一度制止するのもまた俺の役目だ。

「良いだろう。織斑 一夏は後回しにしてやる。貴様が先だ!」

直後、ボーデヴィッヒの大型レールカノンが火を噴く。怒りに任せた攻撃というのはえてして単純なものだ。更にボーデヴィッヒはこちらを侮っている。だからこそ・・・。

「吠えるな、子兎。」

「弾丸を拳で弾き飛ばす」なんて芸当を目の当たりにしたら思考が止まるに決まってる。シャルルは戦闘中だったから気を張っていたが、今のボーデヴィッヒでは二の矢が継げない。ボーデヴィッヒが正気を取り戻すより一瞬早く、俺のビット『白羽』が彼女を取り囲んでいた。

「バカな。いつの間に・・・。」
「周りが見えていないな、不良軍人。頭冷やしてから出直してこい。訓練も忘れずにな。」
「・・・ふん。」

ボーデヴィッヒは少しの間この状況を打破する術を模索していたが、諦めたのかISを収納してこちらを睨みつけている。あれだけコテンパンにされて悪態がつけるのだから呆れたものだ。まだ自分の方が強いと思っているらしい。まあ、そのくらい頭が堅い方が潰し甲斐があって楽しいけどさ。

「・・・織斑一夏。」
「・・・何だよ?」
「私はお前を認めない。絶対に・・・。」

そう言い残して、ボーデヴィッヒは去っていった。まったく、また随分と迷惑な邪魔が入ったものだ。正直気になることはあるが、今はそれを考える時間ではない。

「よし、訓練続けるぞ、一夏。ボサッとしてんな。」
「え?あ、おう・・・。」

返答した一夏の表情がいつもと違うことに、俺は気づいていた。





午後の訓練を終え、放課後の訓練も共にした俺と一夏は夕暮れを眺めながら寮までの帰路に着いていた。

「しっかしやっぱり零って凄いよな。」
「藪から棒に何だ?訓練は軽くしないぞ。」

脈絡もなく褒められるのは気恥ずかしいものだ。というか、褒められるようなことしたっけ?いつものように恙無く訓練を終わらせたと思うんだが・・・。

「いや、午後の訓練でさ。ビットの展開とか速すぎて見えなかったし。」
「あー、あれか。あれはちゃんと
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