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ソードアートオンライン 黒紅の騎士と紫紺の剣姫
ボス攻略戦後 PvP その弐

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 サイファーの構え方は、片手剣使いの構え方ではなく細剣使いの構え方に近い―否、殆ど細剣使いと相違ないただ一点、違うとすれば剣を持った手が前に伸び切っている部分だろう。
 (片手剣なのに、細剣使いに近い構え方ってなんかどっかのRPGで見たような)
 俺は、彼の構え方に少し興味を持ったがすぐにその考えを捨てさせられた。剣の切っ先が、迫っていたからだ。すぐに顔を逸らし、切っ先に対して剣の腹を当てて弾きその勢いのまま後ろに跳んで距離を稼ぎ、また駆け出す。
 ソードスキルは、モンスターのようなアルゴリズムがあるのに対しては有効だが、自らの思考のある人間に対してはあんまり使いたくない。ましてや、今は1対1スイッチもできない。ソードスキルを防がれたら技後硬直を課せられ一瞬で負けが確定するからだ。
「せらぁっっ!」
下段からの切り上げに、彼も上体を逸らし躱す。不安定な体勢のまま顔めがけて突きを放つ、それの横に跳んで躱しもう一度接近し今度は、上段からの振り下ろしを放つと彼も剣をぶつけ鍔迫り合いになった。
「なぁ、サイファーさん?あんた、いったい何者だい?」
「・・・質問、意図不明。回答拒否・・・」
 質問に答える気はないようなので、強攻撃で剣を弾いて後退しようとした時彼の剣が淡い光を帯びていたことに気づいた。
(!?ソードスキルっ。くそっ、奥の手使ってやる)
 右手を、剣から離し腰に吊った鞘を握ってそのまま振り上げて剣と交差させて彼の放ったスラントを防ぎきった。
 システム外スキル、鞘剣ー読んで字の如く、鞘を剣のように扱うスキルで疑似的に二刀流と同じ状態になる。装備フィギュアに装備できるはずのない鞘を持つのでソードスキルは使えないが敵の攻撃を防いだりできる有用なスキルだがー
(また、キバオウにチートだなんだ言われそうだな)
そう思いながらも、技後硬直で動けないサイファーに強攻撃を叩き込んでデュエルは俺の勝利で終了した。

「な、なんやそのスキルは!鞘をつこうてソードスキル防ぎおるなんて、そんなんチートや」
「ベーターでチート使うとか、ビーターじゃんか」
『ビーターね。俺たちは、ただのベータ上がりじゃあないしまだあんたたちの方がベータ参加者よりましなプレイをしてるね。転移門は開放(アクティベート)してやるが、このまま着いてくるなら初見のMobにやられないよう注意することだな』
 示し合わせたわけでもないのに、俺とキリトは同じ言葉を発しビーターというスケープゴートになりベーターテスターに他のプレイヤーから攻撃が飛ばないように自分たちにヘイトを集めた。 
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