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ガンダムビルドファイターズトライ 〜高みを目指す流星群〜
02 「プラモデル部の勧誘」
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持ち的に良くないものだ。故に先輩の行動を咎める理由はないに等しい。
 しかし、どうしてこの人は話す度にキザな動きをするのだろうか。このように感じるのは俺だけで異性であるコウガミ達は違うのかもしれない……顔は良いから女子からモテるだろうし。
 けど、これでコウガミ達が先輩目的でプラモデル部に行くのならむしろ都合が良い。
 ここ流星学園は世の中からすればガンプラバトル弱小校のひとつだ。だが……だからといって俺は1回でも勝てればいいなんて目標を立てるつもりはない。目指すは全国制覇それだけだ。
 全国制覇。俺はここ数年の日本事情に詳しいわけではないが、それを達するのが容易ではないことは分かる。実現させるには少なくとも人並み以上のガンプラ愛が必要になるだろう。
 故に色恋目的で違う部に入ろうと考える人間が居てはかえって邪魔だ。確実に部に不協和音を奏でるだろう。さて彼女達はどう答える……。

「先輩……お誘いしていただいたのに申し訳ないですが、私はコンテストよりもガンプラバトルを主としています。ですのでそちらの部には入りません」
「あたしもガンプラバトル派なので遠慮しときます」

 これといった迷いもなく放たれた言葉にミズシマ先輩はキザなポーズのまま停止する。これまで簡単に勧誘出来ていたのか、ふたりの返答は彼にとって予想外だったようだ。

「ははは……君達本当にいいのかい? ガンプラバトル部は休部だった。つまり先輩がひとりもいないということだ。顧問の先生も聞いた話では今年赴任された先生が今後は担当するらしい。それにおそらく2、3年生で入る人間はいないだろう。1年生からレギュラーになれるという利点はあるが、技術の向上は難しいと思うよ。その点こちらの部に入れば……」
「私はこれまでに何体もガンプラを作ってきていますので」
「というか、多分ここにいるメンツに素人はいないと思いますよ。だから心配しなくても大丈夫です」

 さらりと誘いを断る言葉が出るあたり、ヒョウドウとコウガミの意志は揺るがないらしい。これは勘にはなるが、このふたりはなかなかのガンプラ馬鹿だろう。ここで言う馬鹿はもちろん良い意味での馬鹿だ。何故なら俺もガンプラ馬鹿なのだから。

「ちゃんと考えて言っているかい? この学校のガンプラ部はこれまでに大した結果を残していない。いや基本的に大会は1回戦で敗退している。対してうちの部は地区大会で優勝した実績もあるし、僕を初めとして技術を教えられる人間も居る。うちの部に入れば高校3年間を棒に振らずに済むんだよ」

 その言葉を聞き終えるのと同時に俺は無意識の内に鼻で笑ってしまった。さすがに興味のない相手でもそのように行為は不快に感じたのか、ミズシマ先輩の意識がこちらに向く。

「君、何がおかしいんだい
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