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新オズの腹ペコタイガー
第九幕その一

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                 第九幕  牧場のお肉
 オズマは今回は自分も冒険に出ています、一緒にいるのはブリキの木樵にハンク、それにナターシャです。
 四人でギリキンの国に入っています、そのギリキンの国の紫を見てです。
 ナターシャはクールな表情に少しだけ微笑みを入れて言いました。
「こうしてギリキンの国に来て紫を見ていたら」
「どうした気持ちになるのかな」
「高貴な気持ちになるわ」
 こうハンクに答えたのでした。
「紫は高貴な色だから」
「だからなんだ」
「ええ、ただ私が着る服は」
「いつも黒だね」
 黒のゴスロリの服です、ナターシャは今もその服を着ています。
「そうだよね」
「黒が一番好きな色だから」
 それでというのです。
「この色なの」
「そうなんだ」
「ロシアは寒いから」
 それもかなりです。
「黒だと熱を吸うから」
「寒いけれどだね」
「その分だけ暖かくなるから」
「ナターシャは黒なんだ」
「それにロシアの冬は雪と氷ばかりなの」
「その中で黒は目立つね」 
 今度は木樵が言ってきました。
「その意味もあるんだね」
「そうなんです、それで黒が好きになって」
「今も着ているんだね」
「そうです」
「成程ね」
「その黒も好きですけれど」
 それと共にというのです。
「私紫も好きなんです」
「高貴な色だからだね」
「格好いいですし」
「成程ね」
「そういえば皆それぞれ好きな色があるわね」
 オズマも言います。
「五人共ね」
「私は黒で」
「ジョージは赤、神宝は青で」
「カルロスは黄色ですね」
「そして恵梨香はピンクよね」
「その五色の色の服をいつも着ていて」
 オズマはナターシャのその黒いゴスロリの服を見ながらお話します。お人形さんみたいなナターシャにとてもよく似合っています。
「特徴にもなっているわね」
「確かにそうですね」
「オズの国にもそれぞれの色があって」
「私達にもですね」
「色がありわね」
「そうですね」
 ナターシャはオズマのその言葉に頷きました。紫の草原の中の黄色い煉瓦の道を歩きながら。遠くには澄んだ湖と紫の森が見えています。
「それは」
「私は緑と思うかしら」
 オズマはくすりと笑ってナターシャに尋ねました。
「やっぱり」
「エメラルドの都の主だからですね」
 同時にオズの国の国家元首でもあります。
「だからですね」
「そう思うかしら」
「いえ、姫はいつも白いドレスを着ておられますね」 
 ここでこう言ったナターシャでした。
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